「中国バブル崩壊も大変ですが、長期低迷の日本経済には先が見えません。そこで基本に立ち返り正しい経済分析について語りたいと思います」
『２５万円の給料が１年後に１万円増える国民経済へ』
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『インフレ率と経済成長の関係』
コメント欄でインフレと経済成長の関係を知りたいとのご質問を頂きました。大雑把に言うと皆さんの給料の合計で、実体経済を示す名目GDPから、物価の影響を考慮した実質GDPの差で有るGDPデフレーターをインフレ率と捉えます。オイルショック迄の日本の高度経済成長期の特徴はインフレ率が高い事です。
「インフレ率と名目GDPと国債発行残高の深い相関性に注目すべき」
『高度経済成長とは何か？』
この時期の日本経済は、インフレが深刻な社会問題でした。実質GDPの成長率も高く名目GDPもドンドン増えていたのですが「クニノシャッキンガー」という異名を持つ政府の負債、つまり国債の発行残高が殆ど無いのが特徴です。乱暴な言い方をすれば、インフレという形で国民からお金を集めていたとも言えます。
「インフレの意味：借金の棒引き＋政府の税収増＋経済規模の拡大」
『インフレとは何か？』
インフレはお金の価値が減免する事です。例えば、日銀が設定する２％のインフレ目標が達成した場合、６０年後には通貨の価値は７０％も減ってしまいます。借金が棒引きされる現象です。また国全体から見ると１０％のインフレとは、１０％の経済規模の拡大を意味します。インフレになると税収も増えてしまいます。
「グラフ共通事項：左軸は金額・単位兆円／右軸はパーセンテージ・％」
「高度経済成長期の日本経済：高インフレ＋高成長＋無借金」
『インフレが社会問題だった理由』
インフレは物価が上がり迷惑。と我々は庶民目線で感じますが、マクロ経済的に見ると経済規模の拡大、国の借金の棒引き、金持ちから有無を言わさずカネを巻き上げているのと同じ現象です。しかも実質GDPも増えていれば、税収は更に加速度的に増えます。政府が国債を出さなくとも国の運営が出来たのです。
「バブル崩壊迄の日本経済：低インフレ＋安定成長＋借金増」
『インフレ対策に成功して日本経済の黄金時代が到来』
もちろん政府もインフレを放置していたのではなく様々な対策を講じます。結果オイルショックからバブル崩壊迄の日本経済は黄金時代を迎えます。しかしインフレ率と経済成長率が落着くと、政府も国債の発行無しでは運営出来なくなります。しかし政府の負債以上に経済が成長し、バランスの取れていた時代でした。
『デフレ時代の経済のアンバランス』
バルブ崩壊後の日本経済は、不良債権の処理に時間が掛かっていたダケなのを、公共事業をしても景気が良くならないと勘違いし、更に高齢化社会に対する福祉予算確保の為に、経済成長のエンジンである公共事業を半分に削減しました。結果、経済成長は事実上ストップし国債の発行残高だけが膨らむ状況となります。
『経済のバランスを取り戻すべき』
高度経済成長期、安定成長期、デフレ期の日本経済を見ると、インフレ率、経済成長、政府の借金に関係性が有る事が一目瞭然です。インフレにするには、消費税廃止や５％への減税で一気に解決しますし、安定的な経済成長を実現するには、公共事業を徐々に倍増させれば良いのです。要するに国が金をケチり過ぎです。
「理想の経済：インフレ率２％、実質成長率２％の安定成長が望ましい」
『財政均衡に寄り過ぎたマクロ経済政策は論外』
私は積極財政を主張していますが無税国家論者ではありません。インフレ率、経済成長率を含めたトータルなマクロ的な視野を持った経済政策が必要だと訴えています。今のマクロ経済政策は財政均衡主義に寄り過ぎています。財政危機宣言を９５年に政府が発表してから、逆に政府の借金は増えているのが良い証拠です。
『名目GDP年率４％の成長の意味を考える』
日銀のインフレ目標の２％と政府の目標値２％実質経済成長を合わせると名目GDPは４％成長です。これは２５万円の給料の人が翌年２６万円に増えるのと同じ意味です。五千円分は、通貨価値の減免分。五千円は、その方のスキルが向上した分と考えると真っ当な目標値でしょう。常識で経済を考えるのが大切ですね。
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