れる・られる・らさると聞いてピンと来る人は北海道人であろうと思われます。
日本語現代口語文法において、可能の助動詞れる、られるに北海道内では、話し手の意思に関わらずにそのようになったという自発の意味を加えてらさる形が使われます。
「エレベーターのボタンが押ささった。」(自分では押すつもりはなかったのに、うっかり手や荷物が触れて押してしまった。)
「この映画は何度見ても泣かさる。」(泣けてくる。)
また可能の意味も持ちます。
「このボールペンはまだ書かさる。」(書くことができる。)
「食べ放題でなんぼでも食べらさる。」(食べることができる。この時は話し手の意思による)
日常生活の中で非常に使い勝手の良い語法、文法であるので、これが方言だと気付かずに使用している道民は多いです。(特に北海道人以外と話した経験のない人や若年層に顕著です。)
なにそれ、変な言葉と思わずに、そんな使い方もあるんだと思っていただきたいですし、道民、道産子の皆さんは、これらが通じない場合のほうが多いということも知ってもらいたいと思います。お節介河童(・◇・)/