韓国映画「スンブ 二人の棋士」観る 師匠がライバルに育てた弟子への愛憎と嫉妬 両雄並び立たず
ランク Aの下韓国囲碁界の実話を元にした ライバルとなった師弟の 愛憎と勝負の世界の厳しさを 描いた作品です。「スンブ」とは「勝負」です。1980年に囲碁世界チャンピオンになった チョ・フンヒョンを 名優イ・ビョンホンが 渋い演技をします。弟子のイ・チャンホを ユ・アインも抑えた上手い演技を します。この映画は、2021年公開予定でしたが ユ・アインの薬物使用問題で延期され 2025年になって、公開されました。この映画は、この二人の熱演が 最大の魅力となっています。そして、囲碁という勝負師の 厳しい世界を、劇的に描いています。囲碁ファンには、メッチャ面白く 必見の映画です。私は、超下手なりに 囲碁を打っているので 完全にこの映画の世界に 没入してしまい 一気見をしてしまいました。映画のモデルとなった 師匠チョ・フンフョンは、1953年生まれで 4歳で囲碁をはじめ、9歳でプロに 日本棋院のプロ試験にも合格する。世界チャンピオン、数々の韓国タイトルを獲得し 弟子のイ・チャンホを指導し、 ライバルに育てる。政界にも進出し、国会議員にもなる。弟子イ・チャンホは、1975年生まれで 11歳でプロに転向し、16歳で世界チャンピオンとなり 師匠を破りながら数々のタイトルを獲得する。この映画は、韓国囲碁界の頂点となった 師弟二人の愛憎と葛藤を描いています。囲碁のルールを知らない人には、 この映画の魅力、面白さが 半減するかもしれませんが、 囲碁を何も知らなくても 充分に映画を楽しむことができる と思います。師匠役のイ・ボンヒョンが ライバルになった弟子への嫉妬を 上手く演じています。 (特に、弟子のノートのエピソードは 必見です)将棋界の藤井聰太と師匠には 実力の差が歴然とあるので 師匠が藤井名人に嫉妬することは 起こらないと思います。この映画の師匠と弟子の二人は、 実力が拮抗しているので お互いに意識せざる負えない 立場になってしまうのです。 「両雄並び立たず」この映画は、見方によっては BLを描いています。 (BLはよく描かれますが GLは少ないような・・・)男の嫉妬は、 プライドが高い?分だけ 屈折します。弟子を育てていたつもりが 実は、師匠が育てられたという 警句に満ちた物語です。この事に気付かない師匠、先生は 指導者になれません。この映画は、師匠が弟子によって 育てられる映画です。日本のスポーツ界で 本当の指導者がいない理由を この映画は教えてくれます。日本のスポーツ界、教育界の 関係者は必見の映画です。弟子は師匠の鏡です。鏡に映った弟子こそ 師匠そのものです。この複雑な役どころを イ・ボンヒョンは熱演しています。弟子のユ・アイン(子役も)も 上手い演技をします。ベテラン脇役陣を揃えて しっかりと映画の脇を固めています。1980~90年代の世相なども含めて 時代考証も見事に再現されています。 (この映画の時代を生きた 韓国の方々は さぞ、懐かしい気持ちに なっているはずです)時代考証の再現度で 映画の良し悪しが決まります。この映画は、タイムスリップできます。監督キム・ヒョンジュは 計算された演出、特に、 碁盤からの映像には 感服しました。人間ドラマを娯楽作品に エンタテインメントに仕立て上げる 監督の力量は素晴らしいです。韓国映画界の実力を 遺憾なく発揮している作品です。是非ご覧下さい。男臭い映画ですが 女性の視点も ピりっと効かしています。下手の横好きの囲碁をする私には とても満足できる作品でした。良い映画です。この映画の中に、碁盤が 大きな役割を担っています。最後に、私の父は、田舎の武道館にあった 碁盤が真っ二つに割れて 捨てられるのを貰って帰ってきました。父 「この碁盤は、榧(かや)の木で 高級品なんじゃ」と言って、嬉しそうに、ボンドで 貼り付けていました。この碁盤は、私が遺産でもらい 姉に預かってもらっています。この碁盤で、何度も父と囲碁を打ちましたが 私が一度も勝つことができずに 父は亡くなりました。また、旅館業をやっていた実家に 囲碁の勝負師?が宿泊していた時です。父は、毎晩、何番も賭け碁をしては負け続け、 たぶん宿泊代以上を 巻き上げられたと思います。またまた、囲碁好きの駆け落ち不倫夫婦が 流れてきました。父は、その夫婦に、碁会所開所の 世話したことがありました。囲碁と将棋がありますが 私は、囲碁の方が、 面白いと思っています。この映画を是非、ご覧下さい。この映画で、囲碁の面白さが 広がればいいと願っています。