松竹「女のたちの庭(1967)」観る 美人女優たちの静かな熱演 昭和の良き時代を描く秀作
ランク Bの上~Aの下東京の商家の女性たちの 家族愛と恋愛を 詩情豊かに描いた作品です。YouTubeで、何の気なしに観始めたら 止まりませんでした。一気にラストまで、観てしまいました。今のアイドル上がりの女優と違って 昭和の美人女優は 演技力の高さで時代を 風靡していたのが よく分かる映画です。美人なだけじゃない。演技力のある美人女優の共演です。言葉ではなく、目で、表情で、仕草で 内に秘めた心の機微を 余すところなく表現しているのが 素晴らしいです。俳優を目指す人は 彼女らの演技を学ぶべきです。この映画を観て、戦前からの大女優 高峰三枝子の演技力の素晴らしさに 感嘆しました。チョイ役で出演している倍賞千恵子の 演技の上手いこと!完全に、そのシーンを支配していました。さくら役だけでないことを 教えられますよ。次女役の香山美子は、揺れ動く心の動揺を 見事に演じています。三女役の生田悦子は、手堅い演技で ストーリー展開を切り開いていきます。岡田茉莉子のクールビューティーさが 印象に強く残ります。長女役の小畠絹子は 演技力の高さを存分に発揮しています。女優ばかり目立ちますが 千秋実のベテランらしい 自然な演技がリアル観を 生んでいます。小沢栄太郎は、人の好い頑固おやじを さりげなく、ベテランらしく 上手く演じています。戦前、治安維持法で逮捕され、 1年半、刑務所に過ごしました。二枚目を演じた山口崇は 無難な演技をしています。演技の上手い俳優を揃え、 心の機微と揺れ動く心の動揺を テンポよく演出していく 野村芳太郎の技術の高さが 目立っている作品です。地味な?ホームドラマの要素を 一級の大人の娯楽作品に仕上げる 野村芳太郎監督の真骨頂の作品です。なお、黒澤明からは、 「日本一の助監督」と言われました。佐賀・伊万里焼の御当地映画の 要素をたっぷり入れて 観光案内も含める営業も 兼ね備えた映画です。映画らしい映画です。良い映画です。昭和の良き時代を象徴している映画です。YouTubeで観ました。昭和の美人女優の実力を 見せつけられる映画です。