ランク Bの上~Aの下
1945年、アメリカの農村で
連続殺人、死体損壊をしたエド・ゲインの
人生を描いた実話のドラマ化です。
このドラマは、とてもグロテスクな、
残酷でリアルな気持ち悪いシーンが
たくさん連続で出てきますので
気の弱い方、苦手な方、幼い子供は
絶対に観ないことをお勧めします。
(私は、夜中にトイレに行くのが
少し怖くなりました)
このドラマが、どこまでが史実で、
どこから脚色なのかは、
私にはまったく判断できません。
いつもこの疑問を持ちながら、
恐々としながら、最後まで
観てしまいました。
このドラマは、単に、猟奇的事件を起こした
エドの人生を描くだけでなく、
この事件が、アメリカ社会に与えた影響も
大きく描いています。
1957年のエドの事件を元にした
ヒッチコック「サイコ」や
「悪魔のいけにえ」「羊たちの沈黙」など
多くの作品が作られるだけでなく
「シャロンテート事件」や
犯罪心理分析(プロファイリング)
などに、大きな影響を
世界にまで及びます。
このドラマは、エドの事件だけでなく
アメリカ社会の変容を描いた
重層的な作品となっています。
エドの両親は不幸な結婚をします。
父親は仕事を転々としアルコール依存となります。
母親は、厳格なキリスト教の家庭で育ち
だらしない夫との離婚ができず、男性観が歪み、
エドを女性を苦しめない男にするために、
キリスト教の観点から
エドに女性拒否を強要するように
育てます。
エドは宗教2世の被害者でもあるのです。
自由な精神の成長を、母親の宗教支配で
疎外されたのです。
(山上被告が控訴してよかったです)
結果、エドは母親の支配、歪んだ溺愛下で
超マザコンとして成長します。
人付き合い苦手で、女性への憧れと
恐怖が混在する男となります。
抑圧された欲望が、女装や
アウシュビッツのユダヤ人虐待看守への
憧れ、妄想が肥大し、
コントロールを失っていきます。
結果、母親の死後、墓を暴き
思い通りに女性を支配できる
死姦を始めます。
猟奇的事件の特徴の一つは
行為が発展、拡大していくことです。
生身の女性への猟奇的殺人を
繰り返すようになります。
副保安官の母親が
その犠牲の一人となります。
脚本家は、調べ尽くして
ドラマ化してるはずです。
エドにとって、唯一の女性友人エピソードが
どこまで事実なのかは
判断できませんが
人間の心の奥底にある
残酷性を描いています。
このドラマは、エド事件の影響を、
ハリウッド映画界の裏話として
タップリ詰め込んで描いているのも
魅力の一つです。
ヒッチコックの覗き癖、
アンソニーパーキンス同性愛などの
ゴシップだけでなく、
撮影の裏側などを
丁寧に再現して描いているのも
魅力です。
そして、何といっても
1957年頃だけでなく、
その後のアメリカ社会の風俗など
時代考証の素晴らしさです。
車、ファッション、家具調度品、建物など
完璧な再現をしているところです。
ネットフリックスの潤沢な資金の
為せる業です。
時代考証だけでも、このドラマを
楽しむことが出来ます。
いつもながら、俳優陣の演技の上手いこと。
人気ではなく、オーディションで、
演技力のある俳優を選ぶ
アメリカ芸能界の実力主義を
遺憾なく発揮している
ドラマです。
このドラマの前半は、エド事件の
残酷さ不気味さを描きますが、
後半は、裁判後のエドの心の変遷
救済?を描いています。
精神障害に発達障害?があった?エドの
犠牲者たちは、殺され損になったのかも
しれません。
アメリカの農村で起きた事件が
アメリカだけでなく、世界を揺るがす
こといなりました。
特殊な事件が、社会の歪を象徴し、
拡散していく怖さを
このドラマは描いています。
ネットフリックスで観ました。
このドラマを観るのを注意して下さい。
楽しいドラマではありません。
子供に見せてはいけません。
グロテスクで、残酷で、醜悪です。
でも、人間を描いているのも事実です。
覚悟して、観て下さい。
最後に、エドは、このドラマの
俳優の演技のように
話し、振る舞いをしたのでしょうか?

