Xで、ユンギさんの写真を見た時、本物なのか、幻ではないのかと、何度も確認した。


間違いない。ユンギさんだ。

それも、とてつもなく、めちゃくちゃカッコいいユンギさんだ。良かった。本当に、良かった。


「あなたが死ぬまでBTSだと言うならば、こちとら一生ARMYです」


推しを信じて、推しを待つ。

ずっと、我慢強く、ひたすら、推しを待ち続けた「ユンギさんの女」の皆さんのように、私も、カッコいい「ジミンさんの女」になりたいと思った。


「ユンギさんと推し」


私は、ギラギラしたシュチムが大好きだ。

メンバー5人はきちんと隠しているのに、「野望」というか、「野心」というか、とにかくギラギラとしたものを、きちんと隠せない、いや、隠さない、2人が大好きなのだ。


そもそも、「野望」や「野心」を持つことは、そんなに悪いことなのだろうか。「志」だけが、正しいことなのだろうか。


厨二病みたいな私の疑問は、さておき。


ギラギラした2人といえば、Butterで、グラミー賞を逃した後のVLiveが忘れられない。


あの時、ソクジンさんの手の怪我は重傷で、深刻な状況だった。ホソクさんは、コロナの隔離期間が終わるまで、韓国で待機となり、メンバーと合流したのもギリギリのタイミングだった。ジョングクさんも、アメリカでコロナが判明し、直前まで、隔離生活を余儀なくされた。BTSは、満身創痍だった。


迎えた、ステージ本番。


負傷した手を隠し続けながら、自然な演技をする、ソクジンさんが素晴らしかった。

階段で転ばずに、何とか踏み止まったホソクさんも素晴らしかった。

高い所からスルスルと降りながら、余裕な笑顔のジョングクさんも素晴らしかった。

練習では、なかなか成功しなかったジャケットの大技を、本番で決めてくるメンバーも、素晴らしかった。


グラミー賞のステージ。BTSは、光り輝いていた。


余談にはなるけれど、後日、会食時のナムジュンさんの涙で、Dynamiteから、再び、Butterで、グラミー賞に挑むまでには、様々な葛藤があったのだろうと、私達は察することになる。


VLiveでは、端に、ユンギさんと推しが、並んで座っていた。

もちろん、メンバー全員が落胆していたけれど、ユンギさんは、もう悔しさを隠しきれなくなっていた。


「悲しむことはない」と言うユンギさんの隣で、下を向きながら、腕まくりを始める推し。


ユンギさんは、落ち着こうと、顔の前で手を組んでいた。でも、その指先が震え出して、「あーっ」と声に出しながら、ユンギさんが立ち上がった。


「ジミナ、抱きしめてくれ」

「兄さん、お疲れさまでした」


推しも、腕まくりが終わると、「さあ」とばかりに、シャンパンを取った。


床にシャンパンを置き、そのまま、推しは少し項垂れた。いつもなら、誰よりも周囲が良く見えている人なのに、手を負傷したソクジンさんに何も言わず、推しはコルクを開けてしまっていた。


「兄さん、すみません」

ユンギさんが、推しの腕に、手を置く。


推しが、グラスにシャンパンを注ぎ始めると、ユンギさんが、推しの近くにグラスを並べた。


推しの足を軽く叩く、ユンギさん。


「僕達は、コンサートがメインだったんですよ」

「ちょっと、寄っただけだよ。その割には、頑張ったよね」

立ち上がって、笑う2人。


乾杯の後、まだ、ジョングクさんが、ARMYへ話している途中なのに、推しは、シャンパンを一気に飲み干した。


「これを一気飲みするとは」


推しが頷くと、ユンギさんが、推しの背中を、2回も擦ってくれた。最初は、肩の近くを軽く。次は、真ん中を長く、優しく。


これが、私の大好きな、ギラギラしたシュチムだ。

久しぶりにVLiveを見て、もう、たまらなくなった。泣きそうな自分がいる。


でも、私は、カッコいい「ジミンさんの女」になると決めたのだ。推しが来るまで。私も強くなろう。


ご覧いただき、ありがとうございました。


以上です。