前回の記事で少し触れたのですが、フリント・レベレットとヒラリー・マン・レベレット夫妻が書いたGoing to Tehran という本を読んだので感想を書いてみたいと思います。
両者とも以前はアメリカの国務省や安全保障会議に勤務したこともあるイランの専門家で、どうも現在のアメリカの対イラン政策に不満があって役人を辞めてしまったみたいなのです。
この本で印象的だったのは、さすがにイランの専門家だけあってペルシャ語からの引用が豊富に挿入されていてイラン当局がどのようなことを考えているかをある程度把握できることでした。
逆にイランを爆撃せよと叫んでいるアメリカ人がほとんどペルシャ語ができないという異常性も感じることができます。
この本の内容を紹介する前に、著者がどのような国際関係の思想を持っているかを解説しておきます。
ハーバード大学のスティーブン・ワルト教授のブログを読んでいると教授は大体現在のアメリカの外交思想をネオコン、リベラル介入主義、孤立主義、リアリズムの4つに分類されていますが、レベレット夫妻はリアリズムの立場に立っていると私には感じられました。
またウォルター・ラッセル・ミードというアメリカの保守系評論家はSpecial Providenceという本の中でアメリカの外交思想を4人の有力な指導者の考え方の違いから分類しています。
それはハミルトン主義、ウィルソン主義、ジェファソン主義、ジャクソン主義の4つから成っているのですが、レベレット夫妻はジェファソン主義に立っていると思われます。
ちなみにジェファソン主義とは「個人の自由」を大切にする立場で、大きな政府の権力は抑制しなければならないとの考えを持っています。ミードの本の中ではこの考え方の代表としてジョージ・ケナンを挙げていますが、レベレット夫妻の本の中でも数回ケナンの文章を引用していました。
アメリカの外交思想では、リアリズムに属する著者が現在のイランに対してどのような考え方をしているかを次の回で書いてみたいと思います。
