初代 江戸家猫八 | 墓守たちが夢のあと

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 動物の声帯模写などで知られる物真似師の江戸家猫八。その初代は栃木県出身で本名は岡田信吉。元は歌舞伎役者の3代目片岡市蔵の門人で片岡市之助と言う女形として活躍していましたが、鉛中毒で下半身不随となり廃業しています。
 明治38年(1905)に2代目三遊亭小圓朝の門下として落語家に転身したものの、それもまもなく廃業し、富岡八幡宮など神社の境内で飴を売りながら鳥獣の物真似をして人気を博していきます。
 それを見かけた柳派の2代目春風亭大与枝により、3代目柳家小さんに目をかけられます。しかし、かつて三遊派であった岡田が「柳家」を名乗ることには反発が強いため、2代目大与枝の命名で「江戸家猫八」を名乗り寄席に復帰します。
 名前の由来は、大与枝の故郷・上州舘林を舞台とする講談に登場する「江戸家虎五郎」という侠客と、かつて実在した物真似芸人「猫八」をかけ合わせたそうです。
 猫八は、独特の毒舌芸やダジャレ問答などで、独演会を開くほどの人気を博したそうで、レコードも30枚近く残されています。
 初代・江戸家猫八は 昭和7年(1932)に65歳で亡くなりますが、名跡は弟子となった2代目大与枝の子息が継承。その後、初代猫八の六男である六郎が3代目,3代目の長男が4代目を襲名しています。


雑司ヶ谷霊園(東京都豊島区南池袋) 1種西6-3-18-2