和の色・日本の伝統色は
花萌葱(はなもえぎ)です。
花萌葱は
日本の伝統色の中でも
とても爽やかで
若々しい印象を持つ
青みの緑色です。
萌葱色(もえぎいろ)を基調に
そこへ 花のような明るさや
華やかさを加えた色です。
イメージとしては
若葉のような萌黄色の生命感
青空を映したような透明感
この二つが合わさったような
明るく清々しい青緑色になります。
色の印象は
若々しい、瑞々しい
春から初夏の爽やかさ
上品な華やかさ
といった雰囲気です。
色名の意味
花萌葱という名前は
とても日本らしい詩的な表現です。
花 (華やかさ・明るさ)
萌葱 (芽吹いた草のような若い緑)
つまり、花のように華やかな
萌葱色という意味になります。
普通の萌葱色よりも
少し明るく、晴れやかな印象の色です。
花萌葱は自然の中では
こんな景色に近い色です。
・春に芽吹く若葉
・雨上がりの 新緑
・朝露に光る 草の若芽
生命が
生まれたばかりのような緑
とも言える色です。
平安時代の人々は
ただ「緑」とは言いませんでした。
春になると庭や野に
やわらかな若葉が一斉に芽吹きます。
その中でも
まだ淡く、やさしい緑
光を受けてきらめく明るい緑
少し青みを帯びた清らかな緑
こうしたほんのわずかな
色の違いを感じ取り
それぞれに名前を与えていきました。
その中で生まれたのが
萌葱=芽吹きの緑
そしてそこに
花のような華やぎを感じて
名付けられたのが花萌葱です。
実際に花の色ではないのに
あえて花と付けているのは
若葉があまりにも美しく
花のように感じられたからなんです。
葉なのに花のように美しい
そんな感動がそのまま名前になりました。
平安の女房たちは、季節の色を重ねて
衣装(かさねの色目)を楽しんでいました。
春には、外側に花萌葱
内側に淡い紅や白といった組み合わせで
若葉の中に咲く
花の気配を表現したりします。
直接花を描かなくても
色の重なりで春を語るそんな世界です。
春の朝
庭に出た女房(上級女官)
ふと立ち止まります。
朝露をまとった若葉が光にきらめいている。
「…まるで花のよう」その一言が
やがて花萌葱という名前になった
そんな風に感じられる色なんです。
若葉が花のように見えた
その瞬間の感動の色が
花萌葱色なんです。




