結婚して、私はとても幸せです。
本当に、心の広い、素敵な人と一緒になれて、一緒に生きていけるのですから。
でも、現在のところ、ただ一つ、結婚したことによって煩わしい、というかいらついていることもあります。
それは、法律婚することによってどちらかがしなければならない「改姓」
法律婚にあたり、どちらかの姓に統一しなければならないですが、
夫は自分が姓を変えることを拒んだし、
長男なのでたぶん夫の実家にも反対されることが想像できたため、私が譲りました。
その代わり、職場では私は旧姓を通称として使っています。
でも、これ、とても面倒。時々苦痛。
だって、身分証明関係、健康保険関係、福利厚生関係は戸籍名じゃないとだめで、
関係部署からは通称を使っているにも関わらず戸籍名でいろんな通知が来るんです。
今の職場の人には旧姓使用を話してあるから戸籍名で送られてきても
私の手元に届きますが、そこから電話がかかってくるときに戸籍名でいわれ、不愉快です。
(相手に悪気がないのはわかってるけど)
※最近じゃ、健康保険・福利厚生部署に依頼するときは、
「○○課 神崎(仮名)までご返送ください」とか、
「○○課 神崎(戸籍名 △△ 、人事課届出の上旧姓使用)」とわざわざ付箋に書いて
送ってますが、何か?
頻繁に作成しなければいけない書類も、戸籍名じゃないと認めない的なシステムにもなっている
みたいです。
(個人を特定するためだって。意味がわからん。
外部に影響力のあるものだったらともかく、内部書類なんだから、旧姓使用していても、
人事にとどけでているんだからいざとなれば簡単に公にも証明できるだろう。
それに、職場で仕事してるんだから、逃げようもないじゃん。意味わからん)
そして、一歩会社の外を出ても、公的書類はすべて戸籍名じゃないと通用しない世の中。
病院や銀行で新姓で呼ばれることにとても違和感があります。
「名前」は、個人のもっとも根本的なアイデンティティだと思います。
それを変更することによって、自分が自分でなくなってしまう恐ろしさを感じます。
全然知らない名前で呼ばれる。
今まで「神崎あい」で生きてきたのに、「△△あい」と呼ばれたら、表記上なんてまるで別人でしょう。
今まで取得した資格の免許、大学院までの卒業証明書や成績証明書。
こういうのだって、旧姓でしかでないのか、戸籍謄本持って行って新姓で出してもらうのかよく
わかんないけど、いらん手間暇がかかる。
夫は、私がものすごく男女同姓にしなければならない現状に憤りを感じていることを知っているので
同じ会社で旧姓使用していることについては黙認してはいますが、本当のところでは
あんまりいい風には思っていないみたいです。
(同僚に私が旧姓使用していることを話してない、と言っていたから)
家族のきずなが弱まる、とかいった、それこそ感傷のようなもので、
「選択的」男女別姓を否定する輩は、これまでの長い歴史で「女性の選挙権を認めなかった人間」、
「女性は家で家事と育児だけやっていればいい」といって、自分の既得権を守ってきた
心の狭いずるい人間のたわごとにしか聞こえません。
同姓がいいという人の思いも認める。
一方で、自分のアイデンティティを大切にしたいという人間の価値観も認める。
両方あっていいんじゃないんでしょうか?
だいたい、同姓にしたことで「絆が深まる」んなら、今起こっている家庭崩壊系の問題は
皆無じゃないとおかしいでしょ。
そんなものは幻想です。
「別にどちらの姓にしてもいいと言っているんだから、不平等ではない」という輩にも言いたい。
現状、昔の男性優位の「家」意識がはびこっていて、実質女性が改姓せざるを得ない状況に
追い込まれるのですよ。
なんでも、改姓するのは95%以上が女性だとかね。
この「家」意識がはびこっているのは、例えば葬式や法事で、
「男は表でお客様のご接待、女は台所で最初から最後までこまねずみのように働く」という
現象でも物語っているでしょう?
「接待」といいつつ、男は結局酒を飲んだくれているだけ。
客が帰った後、皿洗い、掃除と仕事はいくらでもあるのに手伝おうともしない。
よしんば、してくれそうでも、例えば私たちの親世代、姑世代がそれを許さない。
こういう現状がある、「家制度」が亡霊のように残っている現状で、何が「平等に姓を選べる」ですか。
あほらしくて笑えてきます。
一人一人の個性を守るため、その人の望む生き方の選択肢を広げる必要があると思います。
くだらない政権争いや施策を作っている暇があったら、ちっとはもう少し真剣に動け!政治家よ!!
国際的にも、法律婚で同姓を強いる国は珍しくなってきています。特に先進国。
「家族は同姓で」という思いも、
「自分のアイデンティティを大切にしたい」という思いも、
両方大切にする法律婚制度、それが選択的夫婦別姓です。
早く実現することを希望します。