以前、映画やドラマは見ないで、原作で「失楽園」を読んだのですが、
不倫し、結局バレてお互いの連れ合いとの話もついているにも関わらず
最後交わりながら心中した二人の、渡辺淳一の美学がイマイチわからず、
また、「エ・アロール」もあんまり面白いとは思えず、
「愛ルケ」は見ないつもりでした。
でも、寺島しのぶが女優生命を張って挑戦した映画と聞き、
いったいどれくらいなものか、ちょっと見たくなって見てきました。
のっけから激しい濡れ場で始まり、思わず息を呑みました。
セックスの最中に冬香(寺島しのぶ)に懇願されて
彼女を村尾(豊川悦司)が絞め殺すシーンなのですが、全てはここから
物語が始まっていきます。
愛欲におぼれて、どうしようもなくなった冬香が死を選んだ、という
ところなのでしょうが、一生懸命働く夫と三人の子どもに囲まれて
何不自由ない生活をしている女が死を選ぶ、ということ自体がよく
理解できませんでした。結局。
何とか理解するために理由をつけるとしたら、彼女は心を病んでいたから、
ということしか思いつきません。
渡辺淳一は、
「本当の情愛には、プラトニック的なものだけではなく、
肉体的な結びつきもあって初めて、より深いものになっていく。
それを表現してみたかった」
的なことを何かで述べています。
100の言葉より1回のキスを、
100のキスより1回のセックスを
なんてことを昔何かで読んだことがありますが、それは真実だと思います。
言葉では伝えきれないことをいろんな形の交わりで伝えることができるってのは
ありますから。
だけど、32歳のいい大人の女性がそこまで理性を失うことってあるのか?!と
思うのです。さっきも書きましたが、3人もかわいい子どもがいるのに。
めくりめくエクスタシーってやつを冬香は村尾とのセックスで初めて
感じたっていってますが、それだけで全てを捨てられるものなのでしょうか。
それを旦那さんと感じたいとか、っていう発想をもって努力するか、
村尾とは完全に「遊び」だと割り切った方が現実的だと思うのですが・・・。
私が冬香だったら、旦那さんとのセックスで感じられるように努力するでしょうね。
尤も、パートナー以外とそういうことするってこと自体、許せないですから
私が冬香だったらこの物語は成立しませんが。
愛の流刑地は「懲役8年」でした。ってのがこの映画の結末でした。