弟を思うゆえに、そして貧しいがゆえに、
意図しないところとはいえ
結局のところ強盗殺人を犯してしまう兄。
「強盗殺人犯の弟」というレッテルのため、
夢も好きな女性との結婚も、
そして就職後も苦しみ続ける弟。
その弟を支え続けた女性はやがて妻になり、
平凡でささやかな家庭を築くも
またもやあのレッテルのために苦しむことになる。
最後、弟は兄に対して絶縁を宣言する。
自分と、自分の家族を守るため。
弟の苦しみも、兄の苦しみも、
全てをひっくるめて、悲しいつらいものだと思った。
上手くは表現できないけれど。
東野作品は行間をあまり読みこまなくても
いろんなものを解りやすく伝えてくれるから、
今の私にはとても読みやすい。
それに、どこか共鳴するところがある。
あまりいい状態ではないんだろう、私自身が。
自覚してる。
もう壊れる寸前だ。
やっぱりどんなときも支え続けた女に、
男は惹かれて、結ばれていくものなんだろうな、と思った。
全然関係ないが。