今の私には、帰りたい場所は確かにあるはずなのに、
どこにも無いように思える。
会社にいた頃、故郷を懐かしんでいた。
そして、学生時代にいた京都を懐かしんでいた。
今、故郷に戻ってきた。
実家にいるのに、そこは、かつて私が帰りたかった故郷ではなくなっている。
今京都にいっても、もう私が帰りたかった京都ではない。
「故郷」「帰りたい何処か」というところは、
場所ではなく、誰か・・・そう、自分にとって大切な人のいる場所であり、
自分を受け入れてくれる人の傍だったのだ。
そして、同時に、その人にとっても、その人を受け入れてくれる場所。
「好き」という気持ちを受け止めてくれる人。
「好き」という気持ちを与えてくれる人。
「大切だ」という気持ちを伝えられる人。
「大切だ」という気持ちを受けとめてくれるひと。
恋人だけじゃなく、家族もそう。
私にとって、彼は伴侶になって欲しい人だったのに、
私は自分のことばかりで彼の苦しみを受けとめることから逃げたのかもしれない。
家族に対しても、大切な存在であるはずなのに、いらついてしまう。
そして、最低な態度で接する。
私は、家族を持つことができない人間なのかもしれない。
名誉・・とか、自己顕示欲旺盛なくせに、一瞬の気の迷いで
折角手に入れた栄冠(?)を捨ててしまった。
今生きている意味などまったくわからない。
遅々として進まない試験勉強をしなければ、というあせりだけが心の中に渦巻く。
そして、今の職場を早く去らなければ、とも。
だけど、他の職場・・・会社にいっても、結局私はもう「帰りたい何処か」には
たどり着けないのかもしれない。
私の届かないところへ、君は永遠に去ってしまった。
私が会社を辞めたのと同様に。
小さな幸せを探せばいい、と医者に言われた。
だけど、そんなまやかしの幸せを集めたところで
自分の本当の心をだましきることなどできない。
私の「帰りたい何処か」は、かつて私が手にしていた世界で頑張ることだったのだ。
謙虚に、精力的に、全力で。
「宿命」貸し出し可能との連絡が図書館から入った。
早速借りに行かなければ。