長文です
最近、コース外滑走での事故や雪崩のニュースがあったので、思い出した事を書きます
18の時に上京して、一時帰郷を挟んで合計で13年くらい関東に住んで居ました。最近はたまに都会に出ると人混みがツライ…
親が兄弟姉妹多かったおかげ?で従兄弟、従姉妹が15人居ました。親戚一同集まると凄かった。
関東に住んでいた4つ上の従兄弟が、アクティブな遊びが好きな人で、スキースノボ、ダイビングにパラセーリング、バイクにも乗っていたようです。割とお堅い仕事で忙しそうだったんですけどね。
社会人になってから誘われてスノボに行くようになりました。五竜とか苗場とかに夜中出かけて朝から夕方まで滑って帰る強行軍がお決まり。日本酒一升を2人で明けて二日酔いスノボ。帰りに温泉寄って渋滞で足がつる…
午前中は教えてくれるんですが、後は滑って覚えろと、コース外に消えていきます。
一人で危険な林の中や崖を降るのです。
藪に突っ込んで結構な怪我をする事が有ったのですけど、後ろに付いていけないし。まぁ上手かったんで自分の責任で…と思って居ました。
16年前の冬に、自分の結婚が決まったと伝えると、余興をやってあげるよと言ってくれて楽しみにしていました。
打ち合わせの電話で、女性陣の着付けや和装に使うカツラなんかを聞いておくように式の担当さんから言われていたので冗談で
「兄ちゃんヅラいる?(笑)」
「おう(笑)じゃあマゲを頼むわ」
なんて話をして、明日は出かけるから明後日に飲みに行こうなと言って電話を切りました。
次の日の夜、従兄弟の母(叔母)から
「今、長野から電話が有って、病院からって」
と、慌てて要領を得ない電話が来ました。なんだ、スノボで怪我でもしたんか?飲みに行けないじゃないかーと翌日にお見舞いに行く事にしました。
長野から兄貴の家の近くの大学病院に搬送されてきたと言うので何でだろう?と思ったけど、入院したという病院に行ったら遠方から叔父、叔母、従兄弟たちが沢山来ていて、病室の前で
「今意識不明で自発呼吸も出来ていない」
と、聞かされました。中に入っても良いと言うので案内されると、沢山チューブが付いて眠っている兄ちゃんが居ました。
機械につながっているとは言え、まだ心臓は動いている。手を触ったら氷のように冷たい。おでこが異常に腫れている。血圧は70/30とかだったと思う。
状況は、スノボ初心者の友人数名と滑りに来て、単独でコース外を滑走中に崖から4〜5メートル、頭から圧雪されていない雪に突っ込んで身動き出来ない所に転落し、他の人が同じように転落して突っ込んで来た。
(突っ込んだ人は助けないで立ち去った)
友達数人はなかなか戻ってこないので探しに現場へ行ったが到底入れない場所だったため、救助隊員を呼んだ。
(何故突っ込んで来た人が居たと分かったかは兄ちゃんの身体の外傷と現場に残った跡から判断してということだった。相手は今も分からず)
結果的に救助されたのは1時間後で、その時には心肺停止だった。雪の中に居て低体温だった為、蘇生できる可能性は有った。蘇生を行った結果、心臓は動いたものの抹消の血管が壊死してしまっていると言う事だった。手が冷たかったのは血が十分に通ってなかったからだ。脳の抹消にも血液は届いていない。いわゆる脳死だ。
看病の甲斐もなく、翌日従兄弟は息を引き取った。俺の結婚式の1ヶ月前の事だった。
亡くなった従兄弟は男三兄弟の末っ子。真ん中の兄貴はこれまた20歳の時に病気で亡くなっている。三人の子供のうち二人も亡くなっちゃうなんて、叔母さんが気の毒だった。
叔父さんから
「ゴメンな、min君の結婚式、行けなくなっちゃったよ」
と言われた。そんな事を言われて申し訳ない気持ちになった。
兄貴は人生が無くなってしまったのに、俺は結婚するんだから。
火葬までしばらくの間、アパートから片道2時間電車で通った。毎日話しかけた。最後の夜、斎場近くに宿をとって寝ないで棺桶の側に居ようと思ってたら、従兄弟の友達がたくさん来た。泣きながら酒盛りしていた。
酒、かなり付き合わされたっけな。似たような友達多かったんだな。葬儀には300人!、友達と仕事仲間、付き合いのあった人が来てくれていた。俺の葬儀にはその3分の1も来てもらえるだろうか。後から聞いたら付き合っていた彼女もいたらしい。
余興、変な無茶振りされそうだったけど楽しみにしてたのに…
兄貴がやってくれる筈だった余興の時間は別の従姉妹がプロのジャズミュージシャンを呼んでくれた。リクエストを幾つか弾いてもらい、結婚式に相応しくない曲だと分かっているからとお願いしてレフトアローンを演奏して貰った。亡くなった人を送る曲だ。
結婚式の前日、欠席の連絡だった従兄弟の一番上の兄貴が、お祝いを渡したいから今から行くねと連絡をくれて、少しだけ一緒に飲みに行った。
「結婚式、欠席でゴメンな。お祝い、俺とアイツからのだから」
と2つ祝儀袋を持ってきてくれた。
飲みながら亡くなった従兄弟の話を沢山したけど、
「アイツはいつかまた大きい事故に遭うんじゃないかとずっと思ってた」
20歳の時、バイクでトレーラーに引きずられてその時も病院で一時意識不明に陥ったのだとか。パラセーリングも落下したとか、知らなかったけどやりそうだなあ…
それ以来、俺はスキーにもスノボにも行かなくなった。兄ちゃんは遠慮すんな(笑)子供連れて行け(笑)って笑って言うだろうけど。兄ちゃんに教えて貰わなかったスケートには連れて行ったぞ。
運動神経バツグンで、口数少ないけど人望も厚かった兄貴。
俺がバイクの免許取ったと聞いたら
「min、オッサンになったな〜(笑)オマエその腹でバイク乗れんの?(笑)大丈夫?(笑)コケたら起こせんの?(笑)」
とか言うだろうなぁ。でもさ、もう俺、兄貴よりだいぶ年上になったからな。
オッサンになって、思慮深くなってる筈だから大丈夫だよ。とか言おうもんなら
「その腹が思慮深い?(笑)よし、じゃあツーリングでも行くぞ。800キロコースで(笑)ちょっと痩せろ、鍛えろ(笑)」
とか言ってくれるんだろうか。
事故って自分が起こさなくても起きるんです。スキーやスノーボードだけでなく車やバイクも同じですよね。
コース外に設定されている場所は危険だから滑走禁止になっています。
交通ルールはなぜあるのか?危険だから。
自信があっても何かが起こった時に、周りの方が悲しむ結果になります。
コース外滑走する方、自分の大事な人の為にと思って止めて下さいね。
何事もルールの中で楽しく…
こんな事書いたら兄貴に
「思慮深いオッサンか(笑)」
と笑われそうだなぁ。