特殊な掘立柱建物跡と石組みの井戸



掘立柱建物跡は東西、南北とも約8mの正方形で、柱が二重にめぐる特殊な構造でした。西側手前には浅い石組みの井戸が2基あり、正方形に柄をつけたような形をしていました。これらの井戸は、掘立柱建物跡の方に向き、それぞれ平行に配置されていました。井戸から出土した土器の年代から右(南側)が古く、左(北側)の方が新しいということがわかりました。この二つの遺構から、豪族が水にかかわる「まつり」を行った場所だと考えられています。

方形の区画と大型掘立柱建物跡




方形の区画は東西約47m、南北約20mの大きさで、周囲の堀はほぼ東西対称に掘られていました。この堀の北側中央部には土橋があり、西側と南側の2か所は四角く張り出してあるため、この場所をかけていたと思われます。区画内には太い柱を使った2棟の大型掘立柱建物跡が東西対称に配置されていました。さらに、堀の外側には倉庫と見られる建物跡がありました。このようなことから、これらの遺構は当時この地を治めていた豪族の居館跡か、祭殿跡であろうと考えられています。






2019.9.23