大学卒業後に私はトヨタ東京カロ-ラに就職した。
その関係でトヨタ系列の関東車体工業や岡崎工場などで当時の最先端の工場ラインを研修の一環として見学したことがある。
そのため、長らく車生産現場ではベルトコンベア-の上に車が縦列で流れてくる姿しか想像できないでいた。
それもそのはず、米フォ-ドモ-タ-が流れ作業(つまりベルトコンベア-方式)で車を作り始めて約100年が経つという。
ベルトコンベア-はそのまま使うのだが、新方式は従来の縦列を横置きに変えたのである。
ベルトコンベア-の上に台座を載せ、その上に車を横向きに載せるというのが新方式である。
縦列方式に比べると、車の横幅は2メ-トル弱しかないので、ラインの長さを3分の1ほどに縮めることができるのだという。
しかも、縦列の場合は行程が例えば、「エンジン」を取り付けた後に「足回り部品」の取り付けという具合に2段階になるが、
横向きの場合は、前の方で「エンジン」を取り付け、後ろの方では「足回り部品」を取り付けられるという具合で組み立て時間を短くすることができるのだそうである。
これをその場でもう一度くるっと回すと更に違った組み立て方も可能となる。
さすが、トヨタだと思った。従来の発想にとらわれない斬新なアイディアで「ブレ-クスル-」していくところは我々も大いに見習わなくてはいけない。
設備投資・時間短縮などのコスト削減に大なたを振るった快挙と言える。
今朝の朝日新聞の拾い読みから、こんなことを考えた。