すると、ご遺族の一人に声をかけらる。


ご遺族の一人は「改修工事って、このフロ-リングを剥がしたり、全てのドアやエアコンも交換するんんですか?」と質問してきた。


僕は「そうですね。交換できるものは、全て交換します。こういうケ-スの場合には、そうすることが一つの商習慣的な取り扱いとなっています。」と答える。


質問をしてきた遺族の方は、僕の答えに押し黙った。


一言で改修工事といっても、300万超えるから、不満もあるだろう、、、。

僕は、次に来そうな質問を予想し、頭をフル回転させる。


質問をしてきた遺族の方は、部屋を一通り見回し、僕と目を合わせる。


そして、そのご遺族の方は「あのエアコンもらってもいいですか?」と質問してきた。



ヽ((◎д◎ ))ゝ


全く想像していなかった質問、、、、、、。

僕の小さい脳は思考停止した。


そのご遺族は「あのエアコン、まだ使えますよね?使えるなら欲しいんですけど」と欲しいオーラを増してくる。


僕は「わ、分かりました。多分大丈夫です。でも、こちらで出来るのは取り外しまでなのですが、今日の今日は無理です。ですので、こちらで後日エアコンを取り外しますが、エアコンの運搬はそちらでして頂くことになります。」と確認もとらずにこたえる。


それを聞いたご遺族の方は「ラッキ-!」とつぶやいた。

さて、引越当日の朝7時30分にマンションへ行く。すると、既に作業が始まっている。


ご遺族の方二人に挨拶を済ませるが、このご遺族の二人は荷物の梱包・電気や水道等のライフラインの連絡及び精算手続き・プロバイダ-との契約解除手続きなど、やることがたくさんある。

なので、以前会った時のような悲壮さは全くなく、凄い勢いで作業を進めている。

一人は必死に荷物を梱包し、もう一人はテキパキとパソコンを操作し各種解約をしている。


はっきり言って、普通の引越だ。


とても、自殺があった部屋とは思えない。


でも、引越屋さんは、超ビビって作業している。


なんか非常に奇妙な風景だ、、、、、。


すると、、、、、。

電話は家賃保証会社からだ。


家賃保証会社の管理担当から「○○マンションの○○○号室の家賃が引き落とし不能になっているんですが、、、」という内容の連絡。

つまり、このマンションに入居する際、入居者に信販会社のクレジットカードを作ってもらい、家賃をカード決済にしてもらうシステムになっている。しかし、自殺があった月の支払が無いから、事情を聞きたいという。


司法書士試験受験生のブログということで、ちょっと説明すると、入居者はカード会社と家賃クレジット支払契約をする。つまり、入居者(債務者)は家賃をカード会社(債権者)に支払い、家賃保証会社(保証人)は入居者から委託を受ける形で保証人となる。

即ち、債務者・債権者・委託保証人という、過去問に出てくる形が出来上がるわけ。

家賃の支払がない場合、保証会社は求償権を行使し、延滞なら支払の督促をし、自殺なら相続人に請求する。ちなみに、夜逃げなら保証会社は事実上泣き寝入りする、、、、、

要するに、保証人から借主に求償権を行使するにあたり、「単なる支払延滞?夜逃げ?自殺?」等の事情を聞きたいわけだ。


しかし、コンプライアンス及び個人情報保護法の観点から、安易に事情を説明するのは、、、、。

でも、この家賃保証会社の管理担当には以前別件でお世話になっている。

僕は、一応「いや~、単なる担当者レベルの話では、、、、御社から弊社に対する正式な請求が無いと、安易にはお話できないですよ、、、、。」と伝える。

担当者は「ですね、ですね、承知しております。差し支えない範囲で、、、、」と粘る。


僕は「『相続人』から連絡させる段取りが出来てます。」と答える。


担当者は「なるほど『相続人』からですね。それでは『相続人』からの連絡をお待ちすることにします。」と言い電話を切る。


つまり、入居者=債務者は亡くなったこと及び相続人等との協議が整っている事を伝え、家賃保証会社の担当者はそれを把握したということだ。