電話は引越業者からだ。

「例の引越の件ですが、今回は遠方へ運ぶので、今トラック予定の調整中です。ほぼ間違いなく調整はつくので、調整つき次第、お客さんに連絡して契約します。」との連絡。


僕は「今回のような事故案件でも、動いてくれて助かりました。で、荷物を搬出する予定日時は?」と質問。

業者は「今度の日曜の朝一なので、7時30分現場到着予定、荷物搬出は7時40分頃からです。」と答える。


「はぁ??」


誰がカギ開けるの?? マスターキー持ってるのはオ-ナ-と僕、、、、。


前日の夕方から、カギを開けておくのは気が引ける、、、、、。


なんとかするしかないか、、、、。


ここのマンションのカギは電子錠で、暗証番号で操作する。


前々日か前日に暗証番号を再設定して、ご遺族に連絡すればいい。


最悪、日曜の7時30分に現地に行けばいいし、、、、。


そんな事を考えていると、また携帯が鳴る。




ご遺族の代表的立場の方=改修費用等の交渉の相手方は「でも、その費用はこの間の見積書には提示されていませんでしたよね。あの、、、、後からそういうお金を追加で請求されるのは、ちょっと、、、、、」とかなり戸惑っていた。


僕は、供養の費用はオ-ナ-負担である旨を伝え、部屋への立ち入りの許可だけしてほしいとお願いした。もちろん快く了承を頂くと

「色々ありがとうございます。あと、以前紹介して下さった引越業者さんと作業料金や引越日時等のやりとりをしていて、早ければ今週末には引越ができるかもしれません。多分、お付き合いのある引越業者さんだから、今回のような引越でも引き受けてくれたんですよね。しかも、御社からの紹介ということで特別割引の適用があるので、かなり安くなりそうです。あと、こういう事情なので、なるべく早く引っ越しを済ませるようにします。色々すみせんでした。ありがとうございます。」と引っ越しの進捗状況を説明してくれた。


僕も引っ越しの段取り等のお礼を伝えると

「私も兄弟も仕事があり家族がいます。早く通常の生活ができるように、全ての事を早く全てを済ませるようにします。改修費用等についても、引っ越しが済んだ頃には振り込むように致します。」と今後のスケジュ-ル関係を教えてくれた上で、ご遺族の方は電話を切った。


僕が「やっぱり、早く済ませたいんだよな、、」とつぶやくと、僕の携帯が鳴った。

すると、

「おーる おっけい!希望は全て受け入れましょう! でも、お布施は10万ねっ!」との承諾をもらう。


日時や詳細な条件は、メ-ルでやり取りすることに。



さて、ここで大事なことがある。


あたり前だが、亡くなった方の供養をさせていただくという、ご遺族への報告である。

今回、ご遺族と接していて思う事は、やはり、このような形で家族を亡くしたという悲しみの大きさだ。そして、「こんな決断なんかしなくても、、、、」という悔しさのような感情も感じた。

この供養という儀式で、少しでもご遺族の気が和らげば、、、、一人の人間として素直にそう思う。


また、この報告をするときに、覚書の返送時期や補償金の入金時期も確認をすることが可能だ。

そして、非常にいやらしい話かもしれないが、覚書の返送や補償金の入金を「早めにお願いします」と言いやすい。

なお、少なくとも、ご遺族代表的立場の方から「やるべきことをやって、早く普通の生活にもどらなきゃいけないんだ。悲しむだけでは、何にもならないんだ。」という気持ちも強く感じた。


供養をし、覚書や補償金の処理をし、遺品等を搬出し、保険請求をし、敷金精算を済まし、一区切りつく。

そう、これらは、ご遺族の方々が普通の生活を取り戻すための儀式なのだ。


僕は自分にそう言い聞かせ、ご遺族の代表的立場の方へ電話した。