ALWAYZ 2第二部の「スペシャルステージ」は、今回も趣向を凝らしたステージが日替わりで披露された。

 

まずは初日のセットリストを紹介する。

  1. A Whole New World
  2. 感謝
  3. 그중에 그대를 만나
  4. ソンムル

[1]は1992年に公開されたディズニー映画「アラジン」の挿入歌。

世界的に有名な楽曲ということで日本語や韓国語を始め様々な言語の歌詞が存在するようだが、今回はオリジナルの英語バージョンで披露された。

 

[2]はシンガーソングライター、キム・ドンリュルが2007年に発表したバラード。

同年にリリースしたベストアルバム「Thanks」に未発表作品として収録された曲であるが、2012年には同曲の名を冠した全国ツアーも開催しており、彼の代表作の一つと言える。

 

[3]はイ・ソニが2014年に発表したデビュー30周年記念アルバム「SERENDIPITY」のタイトル曲。

イ・ソニは、かのユン・サン氏率いる「韓国芸術団」のメンバーとして平壌公演に参加したほどの大御所歌手であるが、LOVELYZトリビアとしては1991年のソウル市議会議員選挙に麻浦区(LOVELYZの所属事務所 woollim entertainment所在地)から立候補して当選を果たしているというエピソードも見逃せない。

 

そして[4]はデュオグループ「MeloMance」が2017年にリリースしたアルバム「Moonlight」のタイトル曲。

メロ+ロマンス=メロマンスというグループ名は日本のデュオグループ「ロマンポルシェ。」に匹敵するセンスであるが、ピアノを核としたサウンドでその名の通りメロウなラブソングを聴かせてくれる。

 

これら曲を[1]と[4]は全員で、[2]はBabySoul, Jiae, SuJeong & Yein、[3]はJisoo, Mijoo, Key & Jinという4人ずつのユニット編成で披露した。

これまでのコンサートのスペシャルステージは各メンバーのソロまたは2~3人のユニットで披露されてきたが、ひとつの曲に全員が参加するというパターンは初の試みである。

 

バラード曲でまとめた初日のセットがLOVELYZの「静」の魅力を表現したものだとしたら、二日目はまさに「動」と呼ぶに相応しい。

ダンスパフォーマンスを中心としたステージが繰り広げられた。

  1. Brand New
  2. 어머님이 누구니
  3. IDOL
  4. 芸能人

[1]は、神話がSM EntertainmentからGood Entertainmentに移籍後初リリースとなる2004年発表の同タイトルのアルバム収録のヒット曲。

この曲のイントロのリフを聴くと渡辺直美のステージが思い浮かぶ人もいるかもしれないが、あちらはBeyonceの「Crazy In Love」なので気を付けたい。

 

続く[2]は、JYP Entertainmentの歌って踊れる社長ことパク・ジニョンが2015年に発表した楽曲。

女性に大事なのは顔でも心でもない、だ!という尻フェチアンセムを声高らかに歌うパク・ジニョンはまるで限りなくLittle Richardに近い月亭可朝であるが、それにしてもこの曲をLOVELYZのコンサートでやろうと言い出したのは「누구니(誰なの)」か、非常に気になるところである。

 

防弾少年団の2018年のヒット曲[3]は今さら説明不要だが、ラストの[4]は「江南スタイル」でブレイクする以前のPSYが2006年に発表した曲。

「アイドル」と「芸能人」という共通のモチーフを題材としつつ対照的な視点の2曲を並べた点も興味深いが、[3]でピークに達した緊張感を一気に解放して大団円になだれ込むような演出も素晴らしかった。

 

この日の衣装はマニッシュなスーツであったが、Jisoo, Kei, Jin & SuJeongが白でBabySoul, Jiae, Mijoo & Yeinが黒というツートーン仕様。

全員で[1]を披露したあと白組が[2]、続いて黒組が[3]、そして最後に全員が合流して[4]という展開となった。

 

そして最終日はセルフカヴァー集。

かつてスペシャルステージでセルフカヴァー曲を披露した2017年冬のコンサートのときは、初披露の曲を特別編成で聴かせるという内容であったが、今回は代表曲を大胆にリメイクして披露するという企画。

今回のコンサートも映像作品化されると思われるが、楽曲の著作権が絡む他の日のスペシャルステージとは違って最終日はフルで収録されるはずなので、そちらにも期待したい。

  1. Destiny
  2. Candy Jelly Love
  3. Twinkle

[1]はBabySoul, Jiae, Kei & Jinによるバラードヴァージョン。

ピアノアレンジが秀逸なこのセットを聴いた時点では、初日と同じようにバラードが続くことを予想していた。

Jinのタンクトップの胸に書かれた「ROCK MORE」の文字がこの後の狂乱のステージを暗示していたなんて、知る由も無かった。

 

予想を覆すようにシックな雰囲気からリゾートビーチのイメージに一転したステージ。

え、、Wag-Zak?

と思わせておいて、二曲目はJisoo, Mijoo, SuJeong, Yeinによる[2]のトロピカルバージョン!

元のアレンジがかっちりと作り込まれたエレポップだからサウンド的に違和感は無いとはいえ、冬のイメージのこの曲をまさかトロピカルハウス風に仕上げるとは。

冬のコンサートで「Wag-Zak」を聴いたときに匹敵する衝撃を覚えたが、まるでこの曲のアナーザーストーリーが目の前で展開されているようで感慨深かった。

 

そして一曲目のメンバー達もステージ上に集結し、狂乱の[3]Rockバージョンへと突入する。

この曲のRockバージョンは2017年12月31日放送のMBC歌謡大祭典でパンクバンドNo Brainとのジョイントステージで披露されたことがあるが、今回はそれを更にスケールアップした感がある。

観客やスタッフ、さらにこの日観客として客席にいたNo Brainのイ・ソンウ氏まで巻き込んでのコール&レスポンス大会からKeiちゃんの「소리 질러(叫べ)!」シャウトまで、コンサート前半とは思えないほどの盛り上がりを見せたので、Blu-rayが発売された暁には是非お買い求めの上確認していただきたい。

 

EP.3では今回のコンサートの全体像を振り返ります。

LOVELYZにとって5度目となる単独コンサート「ALWAYZ 2」が、ソウル特別市のオリンピック公園オリンピックホールで8月2日から3日間に渡って開催された。

 

まずはセットリストを紹介する。

  1. Now, We
  2. 졸린 꿈
  3. Rapunzel
  4. 遊園地
  5. 퐁당
  6. 水彩画
    - VCR -
  7. スペシャルステージ
    - VCR -
  8. LOVE GAME
  9. Close To You
  10. 미묘미묘해
  11. Wag-Zak
  12. SHINING★STAR
  13. 1cm
    - VCR -
  14. Sweet Luv
  15. 秘密庭園
  16. Rain
  17. Hi~
  18. Ah-Choo
  19. 그날의 너
  20. 그 시절 우리가 사랑했던 우리
    - アンコール -
  21. For You
  22. Good Night Like Yesterday
初日は曲順が微妙に異なっていて、Wag-Zakが第三部のラストに披露されたと記憶している。
第二部の「スペシャルステージ」については内容があまりに盛りだくさんなため、別途紹介する。
 
さて、LOVELYZがこの会場で単独公演を開催するのは2017年夏の「Alwayz」以来である。
その後LOVELYZは「Fall In Lovelyz」「治癒」「Sanctuary」「Once Upon A Time」という四枚のミニアルバムとデジタルシングル「Wag-Zak」を発表してきたわけで、今回のセットリストもそれらのアルバムの収録曲が半数を占めている。
今回初披露となった[8][12][14][16]も、それらのアルバムから選ばれた楽曲である。
 
但し、昨年11月に発表された「Sanctuary」の収録曲は[16]のみである点が興味深い。
同アルバムをメインに据えて開催された前回の単独コンサート「LOVELYZ in Winterland 3」と比べて、本公演のLOVELYZはかつてのファンシーな雰囲気にレイドバックした印象を受けた。
その印象は第一部や第三部の曲目に裏付けられるわけであるが、思えばSanctuaryはLOVELYZにとって重要なターニングポイントとなるべき作品であったと言える。
そして、それに比べて最新アルバム「Once Upon A Time」はインパクトに欠けると言わざるを得ないのである。
 
話を今回のコンサートに戻そう。
[3]は2017年1月に開催された「LOVELYZ in Winterland」でKei & Jinのスペシャルユニットで披露されたことがあるが、8人によるオリジナルバージョンのステージは今回が初めてである。
また、[11]は数多くの舞台で披露されている夏の定番曲であるが、発表当時活動を休止していたJinのパートを含む「完成形」が今回満を持して初披露された。
今後はこのバージョンが定着することになるだろう。
 
EP.2に続く。

最近は写真のほうに力を入れているため遅れてしまいましたが、ブログ更新します!

 


2019年5月20日、LOVELYZが6枚目のミニアルバム「ONCE UPON A TIME」をリリースした。

 

本作はLOVELYZにとって、PINK FLOYDの「WISH YOU WERE HERE」に匹敵する重要作品として位置付けたい存在である。

 

同アルバムは、1973年に傑作「DARK SIDE OF THE MOON」を発表したあとスランプに陥り何も作りだせなくなってしまったPINK FLOYDが、苦悩の果てにその状況をそのまま具現化したという経緯を持つ作品である。

 

そして、2017年5月にリリースした「지금, 우리」を最後にプロデュースチームONE PIECEの手を離れたLOVELYZが、その後模索を重ねたものの未だに新たな音楽的支柱を見いだせていないという現状を作品化したのが、ONCE UPON A TIMEのタイトル曲「그 시절 우리가 사랑했던 우리」(その頃、私達が愛した私達)に他ならない。

 

前活動曲「찾아가세요」の二番煎じのような楽曲については特に語るべき言葉を持たないが、この曲の本質は歌詞に尽きる。

例えば、

 

안녕 이제는 뒤돌아가 내일 만날 것처럼
さよなら、もう振り向かないでね まるで明日また会えるみたいに

 

という一節が2014年作品「어제처럼 굿나잇」の


어제처럼 굿나잇 아무 일도 없던 것처럼
昨日みたいにお休み 何事もなかったみたいに

 

に呼応していることを始め、掘り下げれば掘り下げるほど一つ一つの言葉が過去の作品に呼応しているのではないかと探りたくなる内容となっている。

 

それが制作サイドの意図したものであるかは知る由もないが、最も胸に突き刺さったのが、サビの

잊지 마 우리가 우리였던 날의 눈부심

というフレーズである。

 

ラブソングの文脈で捉えると

忘れないで、私達が一緒だった日の眩しさ

と訳すのが適切なのかもしれない。

 

しかしそこを敢えて直訳して「私達が私達であった日」、さらにそこから拡張解釈して「LOVELYZがLOVELYZであった日々」と深読みしてしまうと、どうしてもかつて名曲を次々と生み出したONE PIECEプロデュース時代の栄光の日々の輝きを思い出してしまうのである。

その結果、当時とは対照的に音楽的にもコンセプト的にも支柱を失ってしまった現在のLOVELYZの姿が浮かび上がって来るのだ。

 

2018年以降、LOVELYZのカムバックが宣言されるたびに熱心なファンの間では「前回は残念だったけど、今度こそONE PIECEプロデュース作品だよね?MVはもちろんDigipediで!」という会話が、まるで挨拶のように交わされてきた。

しかしそんな甘い夢も그 시절 우리가 사랑했던 우리がリリースされた今となっては、あの輝かしい日々は文字通り「다신 끌어안을 수 없는 시간」(二度と抱きしめることのできない時間)であったという事実を覚悟したほうが良いのかも知れない。

 

むしろ、話はそれからだろう。