日本経済新聞によると、大和ハウス工業は2024年6月に社内起業制度を導入し、300億円の投資枠を設定するようです。
5万人のグループ全社員から新ビジネスの候補を募り、社員間で事業性など起業の可否を審査します。
明確な投資枠を設けることで、社員の起業への意識を高めるのが狙いです。
住宅や物流施設など主に既存事業に関連した有望なビジネスモデルをいち早く見つけ出します。
2024年6月の制度導入に合わせて社員からビジネス案を募集します。
年間200〜500件ほどの提案を見込んでいます。
中堅を含む各事業部の社員が起業の可否の審査に加わるのが特徴です。
外部のコンサルティング会社とともに、案件ごとの事業性を評価します。
既存の事業の枠組みにとらわれない自由な発想を生かすため、大和ハウスの経営陣は原則として審査プロセスの大半に関わらない方針です。
書類審査や面接などを経て2025年度内に第1号となる起業案件を出したい考えです。
年間では5社程度の社内ベンチャー企業を立ち上げます。
ベンチャー企業の設立や当面の運営に必要な資金を大和ハウスが支援します。
出資などを通じて1社当たり3億円を目安に拠出します。
立ち上げた新会社には提案者自身が少額出資できる仕組みも検討します。
3月に本格運用を始めた大和ハウスにとって初となるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や、社外のVCからの資金調達も認める方針です。
大和ハウス本体とは別会社で事業化することで、迅速な経営判断ができます。
社員に経営者としての経験を積んでもらうため、ある程度の期間は赤字を許容しながら設備投資などの追加支援にも応じます。
業績が改善せず会社を清算する場合も、社員は起業前に所属していた部署に復帰できます。
経営の経験を大和ハウスでのキャリアに生かしてもらうことも社内起業の狙いです。
社内起業に対する明確な投資枠を設けることは珍しいようです。
大和ハウスは住宅の建設・販売を起点に、工場や物流施設、商業施設の開発など事業を多角化して成長してきました。
社内起業制度を通じて、既存事業のさらなる収益機会を模索します。
シナジー(相乗効果)が見込める新事業の開拓にもつなげます。
長期的には社内ベンチャー企業の総売上高を1,000億円規模にしたい考えです。
社内起業制度を次世代の成長エンジンと位置づけ、積極活用する企業は多いようです。
リクルートホールディングス(HD)は、通信教育サービス「スタディサプリ」や結婚情報誌「ゼクシィ」といった現在の基幹となる事業を生み出しました。
サイバーエージェントも執行役員が選抜した4人の社員がチームを組み新規事業を提案する「あした会議」を年2回開催し、2023年9月時点で累計37社の子会社設立を決めました。
これらの売上高の合計は約4,000億円に達します。
リクルートHDやサイバーエージェントには将来の起業を意識した学生などが多く入社します。
大和ハウスも外部から優秀な人材を集めるため、300億円という具体的な投資枠を設けて起業を奨励する社内風土を根付かせます。
個人的には、起業はある程度のリスクや危機感を持ってやらないといけないと思っていますが、時代的にこういった起業もありなんでしょうね。
リクルートなどのように、退職して起業しても成功する方がたくさん出るような企業は素晴らしいと思っていますので、大和ハウスもリクルートみたいな企業になってほしいですね。
実績が出てくると、採用にも良い影響を及ぼすと思いますし。
大和ハウスが社員が事業性審査をする社内起業に300億円投資することについて、あなたはどう思われましたか?