特養で今でも腑に落ちない事-⑨カビだらけのカップ | あなたに,も一度恋をする

あなたに,も一度恋をする

わんこと,お花と,お料理と…そして介護

前記事の続きになります。

入所して数か月後、

母の介護プランを作成すべく

『担当者会議』が、

この特養の会議室を借りて行われました。

 

※担当者会議というのは、ケアマネを筆頭に

利用者を担当する全関係者が集まって、

今後のケアプランを作成するというものです。

介護保険を使うにあたって、

1年に一度はこれを行う必要があります。

 

そこで、

まだ歩行がおぼつかない母のために

午前・午後、母の部屋まで

お茶を運んでいつでも飲める状態にして

置いてほしい事を要望し、

特養側はこれを快諾した事で、

書面に起こすプランに

組み込まれる事になりました。

 

その後、数日に一度、

母への顔見せや補聴器の電池交換に通っていた私。

母の名前を書いて施設にお預けしていたカップはこのカップ。

 

 

けれどいつ行っても、

お茶が入った母のカップが

部屋に置かれている事はありませんでした。

飲んだ後に下げられてたのかな。。。

 

そう思って、

その度にキッチンに行ってカップに麦茶を入れ、

母に飲ませながら、

「今日、ヘルパーの人からお茶持ってきてもらった?」

と母に聞くと、

「もってきてもらってない。」

と返ってくる。

 

持ってくるはずないか。。。

ここの人達が。。。

そうなるだろなとは思っていたけど。

 

この後、カップにキッチンにある麦茶を注いで部屋に置き、

「じゃあ、又来るね。」と帰宅。

 

それから3日後に面会に。

母の部屋には、麦茶の入った母のカップが。

 

今日はちゃんと入れてくれたんだ。

そう思って、麦茶を入れ替えようと

洗面に残っているお茶を流して、

手で容器を洗ってみた。

なんだかヌルヌルしてる。

 

え?

何これ!

いつ入れたやつ?

まさか3日前に私が入れたお茶?

そうだ、間違いない!

 

うっとこみ上げる怒りと諦め。。。

でも待て!

ここの施設がどれだけ怠慢かを見届けよう!

 

そう思って、前回のペットボトルのように

母と同じ会話をする。

 

母に「これいつ飲んだ?」と聞いて

母は

「飲んでないわ。ずっとここにおいてある。

危ないと思って口つけてない。」

とペットボトルの時と同じ返答。

認知症で季節も答えられない母だけど、

危機管理だけは、失われていないのが

大きな救いでした。

 

「お母さん、気を付けてね。

施設の人はお茶をさげてくれてないみたい。

ずっと何日もおきっぱなしだから

飲むと腐ってるかもしれないから

もってきてくれた日にだけ飲んで、

次の日には絶対に口をつけないでね。」

 

と念押しすると、

これまた前回と同様に、

「わかってる!大丈夫よ!」と。

 

私はこのあと、

ヌルヌルの容器を洗うべく、

施設のキッチンに行って

スポンジを借りて洗剤で洗い、

綺麗にした容器に、麦茶を入れなおして

母の部屋に持っていきました。

そして用事を済ませたあと、

母と話をして施設をあとにしました。

 

それから4日後だったと思う。

なかなかこれなくて

補聴器の電池交換があるからと

施設へ行って母の部屋に入ると、

前回と同様に飲まれてない麦茶の母のプラカップ。

 

「お母さん、これいつ飲んだ?」

「覚えてないけど、ずっと飲んでない。」

「ずっと~?」

洗面に残った麦茶を捨ててみた。

前回と同じくヌルヌルのお茶、

そのお茶を流したあとのカップの底にあったのは、

なんと、ピンクのカビ。

 

ピンクのカビですよ。

浴槽についてしまう、あのカビですよ!

 

このプラカップ、

実は抗菌です。

抗菌用のカップも、浴槽の抗菌設備と同様、

同じ色のカビが生えてるんですよ。

これは余りにもひどい。

 

連日、特養の事を綴ってる私。

もしかして私を

とびきりの施設クレーマーと

思っている方もいるかもしれませんが

過去、怒りを施設の人にぶつけた事はないし、

要望がある時は、怒りをぐっと抑えてました。

なぜって母という人質がいるわけですから。

知らないところでイジワルされたら嫌ですから。

 

その逆で、私達親子はいたって

施設における上客だったと思ってます。

月に一度は高級菓子折りをお渡しし、

施設とのやり取りファイルには、

夜勤の方へのお礼の言葉を綴ってましたし、

緊急の時は、すぐにかけつけていました。

転倒に関しても、施設に責任は問いませんと

確約していましたし、

実際に血種が肺に出来るほどの夜間転倒を

母がした時にも、責任を問う事はしませんでした。

 

薬はといえば、毎日1包ごとに

処方する日付まで油性ペンでかいて

投薬ミスがないようにしていましたし、

洗濯物は靴下と下着以外、

全てをもちかえって洗濯していました。

 

夜には面会にきて、

パジャマに着替えさせて洗面まで世話をする、

実にありがたい利用者ではないですか。

母は暴れる事なく常におだやかな性格で、

お仲間にも嫌われてない。

強いていうなら、面会が多すぎて、

私が来ている間は、おかしな事はできない

うっとおしい存在だったかもしれません。

 

それまでもここには書ききれない

(これから全て綴っていきますが)

施設スタッフの怠慢への怒りがありましたが、

お世話になってる身として、

気づかないフリもしてました。

 

しかしこのカップのカビいついては、

相当に問題ありです。

介護プランはまるで守られていなかった。

完全無視されていただけにとどまらず、

何日も放置されたカップを、

だぁ~れも、なぁ~にもせずに放置している

この事が施設として、

決して小さな問題だとは思えません。

人が毎日、シフトで取っ替え引っ替え、

変わる体制だとしてもです。

 

私は母の部屋を出て、介護士を呼びました。

来られたのは、

前回の補聴器収納ケースの時と同じく、

腰のひくい太っちょの男性介護士さん。

 

「すみません。ちょっとコレ、見て頂けますか?」

そういって、プラカップの底を見てもらった。

「ピンクのカビが着いているの、わかります?」

 

「あ、、はい?」

 

「先日の担当者会議で、

母の部屋に1日に2度、

お茶を入れて届けてもらう事を

プランに組み込んでもらっていて、

皆さんもお目通しなってると思います。

このお茶、いつ母に届けてもらったんでしょうか?」

 

そういうと、彼はちょっと聞いてきますと言って

部屋を出ました。

帰ってきて、

「すみません。ちょっとわかるものがいなくて。」と。

 

「Hさん、これね、私が4日前に入れておいてたものだと思います。

で、それをそのまま今日の今日まで、

誰も入れ替える事なく、このまま放置されてたと思います。

でないと麦茶がヌルヌルになって、

底にカビが生えるなんてこと、

ないと思うんです。」

 

介護士は

「すみません!ほんとに!」

と気の毒そうに頭を下げる。

 

「触ってもらってないのが残念ですけど、

麦茶、ヌルヌルでしたよ。

内側、さすってみますか?今!

ゼリー状態ですよ。

今の時期、食中毒は怖い時期ですから、

お願いした事はちゃんとやってほしいんです。

部屋にお茶をおいたまま、

何日も放置されてる。

1日に2回お部屋に持っていってもらって、

飲み残しがあれば夜には下げて

翌朝、また渡してもらえばいいんです。

お願いできますか?」

 

(↑文章にするとキツい言い方に思えると思いますが、

いたって優しい口調で諭すように話しています。

なぜならこの太っちょ介護士さんの事は

私は大好きだったからです。

人の嫌がる仕事を押し付けられても、

一生懸命している姿を何度も見ていたからです。)

 

そう聞くと、

「本当に申し訳ありませんでした。

これからは気を付けます。

皆が徹底できるように、申し伝えます。」

と。

 

伝えなければならない事は伝える。

それは私の主義。

でも、事を荒立たせたくはなかったので

私はケアマネに伝える事もしなかったし、

生活指導員の方を呼んで、

介護士への叱責を

お願いする事もしなかった。

平穏に改善してくれれば、

それでよかったのです。

私が知らないところで、

介護士の方達は頑張っているのだろうから。

夜勤の方は寝ないで働いて下さっているから、

私は自宅で夜眠れているのだからと。

 

 

その後、施設を訪れると、

母の部屋にお茶がおいてなくても、

食洗器の中に、洗った母のカップがあり、

部屋に何日も放置されているのを

見る事はなくなりました。

ただ、私が面会にリビングに入った途端、

お茶を持っていくのを忘れてたのに

気づいたのか、介護士が慌ててカップに

麦茶をついで、母の部屋に

駆け込むように持って走っていく姿を

何度か見ました。

そんな時は、利用者さんとお話をして

それに気づかないフリをしていました。

 

そして、母のコルセットがやがてはずされ、

歩行が手引きなしで出来るようになったのを機に、

母がお茶を飲みたい時は

ダイニングまで歩いて行って、

給仕の方にお茶をもらってもらうようにしました。

 

 

*****************************

 

今日も長い記事をお読み頂きまして、

ありがとうございました。

寒くなってきました。

コロナも蔓延しています。

私も先々週、罹患してしまいました。

どうぞ、充分予防の対策をなさってくださいませ。