死後の手続き-7 生前に戸籍収集を! | あなたに,も一度恋をする

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ご訪問ありがとうございます。

心温かな訪問介護ヘルパーさん達のおかげで

母の完全自宅介護が実現して1年半。

このまま自宅で最期を迎えられたらと思っていた矢先、

私の乳がん発覚で、自分の治療と

母の介護との両立のなか、

2023年11月に母が旅立ちました。

その後の記録を詳細に綴ります。

 

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母が亡くなって、遺族が行う手続き。

この手続きをした事のある方なら

もうご存知だと思いますが、

とてもややこしくて、

頭を悩ませた方が

多いのではないでしょうか。

 

これは葬儀社から頂いた資料です。

この下のパンフレットの

『役所手続き』と『相続関連』

年金事務所などにおける『諸手続き』。

これらがかなり面倒くさくて、

揃えなくてはならない書類も多く、

なかなか進行できずにいた方も

少なくないと思います。

 

なかには提出期限が

儲けられている物もありますね。

 

♦年金事務所→ 届け出は死亡後10日以内

       (国民年金の場合14日以内)

♦相続税申告→ 死亡後10か月以内

 

 

私は過去、叔父の

死後の手続きを行った経験もあり、

幸か不幸か、手順を学べていたので、

母の死去後、上記パンフレットに

記載されているほぼ全てを、

2か月足らずで終わらせる事が出来ました。

(実質1か月半)

 

役所や年金事務所での諸手続き、

後期高齢者保険や介護保険の脱退手続き、

法務局での土地家屋の相続手続き、

生命保険請求や金融機関での相続手続き、

これらを四十九日法要や納骨の順番とともに

同時進行で行いました。

今後続く抗がん剤の副作用を考えると

この時期一気に動かないと、

この先動けなくなるかもと思い、

身体を押しての作業でした。

 

 

今、ご家族を介護なさってる方も、

そうでない方も、

いつか訪れてしまう日のために、

私の行った幾つかのポイントを

ご紹介したいと思います。

 

尚、死後の手続きや相続手続きについて、

もう充分ご存知の方は

ここからの記事は不要だと思いますので、

ここまでになさってくださいね。

 

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まず、

死後の手続きで最も手間がかかるのは、

何と言っても、『戸籍(除籍)収集』です。

亡くなった時の戸籍から、

その前の戸籍、

さらにその前の戸籍と過去に辿り、

生前の戸籍まで辿り着かねばなりません。

そして、存在した戸籍全て一式を、

揃えなければならないお約束があります。

 

なぜそんな面倒な事を?

と思うかもしれません。

理由は、相続者を特定する為です。

例えば遺族は、自分の知る家族だけが

故人の相続人と思っていても、

実際に故人の戸籍を遡ってみると、

過去に結婚歴(未婚の認知も含め)があり、

子供をもうけて事があるかもしれません。

こうした事実があれば、

必ず過去の戸籍に記載されています。

そして記載されている事実があれば、

自分達と同様に、

その人物は相続人になります。その結果、

遺産分割協議に参加してもらうか、

或いは裁判所に行って、

相続放棄の手続きを

してもらわねばなりません。

 

銀行や証券会社の金融機関や法務局が

故人の資産の相続において

相続人の特定を確認する意味で、

故人の出生時までさかのぼった戸籍一式を

確認する必要があるのです。

 

 

これは特殊な例と思いますが、

故人は未婚で子供がおらず、

兄弟姉妹だけが身内にいるケース。

その資産は兄弟姉妹が相続する事になります。

が、この場合、故人の戸籍収集の他、

すでに亡くなっている父母の戸籍一式が

必要になります。

理由は、故人の兄弟姉妹以外に、

異父母の兄弟姉妹はいない証明が

必要になってくるのです。

 

そのため、すでにとっくに他界してる

一世代前の父母の(生まれてから死ぬ迄の)

戸籍謄本、全ての取り寄せが

必要になるのです。

その戸籍の確認によって、始めて

故人の正確な兄弟姉妹数と相続人が

確定されるのです。

 

 

私が死後の手続きした叔父の場合は

叔父が幼少期に3度も養子縁組を

繰り返されたという経緯があり、

しかも叔父は養子縁組の度に

他県を転々としていたため、

全ての戸籍を遡るのも、取り寄せるのも

何か月も要しました。

 

また2番目に記載した特殊ケースは実際に

母の姉が亡くなった時の実体験です。

子供のいなかった母の姉(叔母)の死後、

その父と母(祖父と祖母)の 

全戸籍が必要だなんて 

誰も想像しておらず、

手続きしていた母の妹が、

途中で戸籍を遡れなくなりました。

 

「明治時代まで、

 なんで、さかのぼらなきゃならないの?

 無理だよ。あたしには。」とギブ宣言。

 

途中で私が代わって調べてみたところ、

どうやら出生時の戸籍は、

九州大分のすでに現存しない村の名前。

そこで一つ前の戸籍役場に電話して、

事情を話し、お力になってもらいました。

結果、その方のご厚意で、

出生時の村の管轄役場がわかり、

戸籍を全て揃える事が出来たのです。

 

そんな経験があって、

死後手続きで、

何よりも時間がかかるのは、

戸籍収集やん!

と痛感したのです。

ここで停滞すれば、死後の手続きは

誰もが停滞します。

そんな事があり、

私は母の死後の手続きの為にも

母の出生時からの戸籍を

全て取り寄せていたのです。

 

そして

母だけでなく、

私の戸籍も夫の戸籍も

全て取り寄せて保管しています。

取り寄せた部数は、各1部づつ。

(1部で良い理由は、この後で。)
 

<現在用意している私の戸籍一式と夫の戸籍一式>

 

ちなみに、

除籍や改正原戸籍などを役所に依頼すると、

手数料が1部で750円と割高です。

これを複数枚づつ発行すると、

場合によっては大変な額になります。

叔父の時は、

すさまじい戸籍の数があった事に加え、

私の大失態によって、

銀行や金融機関など、提出する機関の数だけ

発行してもらったため、

発行手数料が総額7万円を超えたという、

苦い苦い教訓がありましたゆえ…。

 

 

ちなみにこれらの過去戸籍を取り寄せても、

除籍謄本については有効期限はありません。

ですから、戸籍の収集は、

生前用意される事をお勧めしたいです。

これから老いていくと、

複雑な手続きは、

段々出来なくなってきますし、

出来るうちに…という気持ちがあります。

 

私は母の死後、

管轄する役職で、

本人が亡くなった後にしか発行できない、

最後の戸籍となる『除籍謄本』と

最後の住民票である『除票』を

発行してもらいました。

これをあらかじめ取り寄せていた、

戸籍一式と合わせたら、

母に関する書類は全て揃います。

(亡くなると最後の戸籍は除籍謄本という名称に変わり、

住民票も故人を抜いた除票という名称に変わる。)

 

そして真っ先に行ったのは、

まず、厚手のワープロ用紙を購入し、

”法定相続一覧図”という書類を

作成しました。

 

<見本です。詳しくは法務局のHPをご参照下さい。

 

そして法務局へ行って

『法定相続情報』の発行手続きをしました。

(この手続きは、法務局での予約制度がないため、

 飛びこみで行きます。

 証明書発行の為にかかった費用は、

 収入印紙代の1350円のみ。)

 

 内容に間違いがなければ、

自分の打った字体も

そのまま、正式な証明書になりますので、

フォントなどもこだわる方は、

よく選んで印字して下さい。

 

書類に不備がなければ、

書類下部の位置に法務局の証明文が入り、

専用用紙に印刷され、正式な証書となります。

出来上がりまでに約1週間。

引き取りに行った時に

そこで希望枚数分を伝えれば、

その部数分、無料で発行してくれます。

これから手続きする銀行や金融機関、

保険会社に各1枚づつ提出しますから、

予定する数より多めにお願いするのが

良いと思います。

 

この制度によって

今まで銀行や法務局などの機関に、

分厚い故人の戸籍一式を持ち込んで

手続きしていたものが、

法務局のこの1枚の書類提出で済むのです。

この制度を利用する事で、

役所への支払手数料も大幅に軽減されるので

実にありがたい制度だと痛感しました。

 

実際、この証明書のおかげで、

銀行などにおいて、過去に言われていた

「故人の戸籍一式を見せて欲しい」

「故人の戸籍一式をコピーさせて下さい。」

と言われた事は、もちろん一度もありません。

国が保障するしてる証明書ですから

ぜひ、この制度は活用すべきと思います。

 

 

そのようなわけで、

母の死後の手続きを、

最短で終わらせる事が出来たのは、

『法定相続情報証明制度』を利用した事。

そして法務局にすぐに持ち込めたのは、

戸籍収集を母の生前に

すでに用意していたからだと思います。

 

高額なプロに頼まないで済むように

戸籍収集、大事です!

 

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今日も長文におつきあい頂きまして

ありがとうございました。

何かのお役に立てる記事になっていれば幸いです。