今日からまた、オペラのDVDを観始めました。
昼から約2時間費やして観たのは、ヴェルディ最後のオペラ「ファルスタッフ」
オペラはオペラでも、おもしろおかしいブッファ。
ヴェルディは、晩年、なぜこうしたブッファで締めくくったのだろうという疑問があるけれど
さまざまな批評家が高く評価しているこのブッファ。
いくつかの驚きがあって、楽しめました。
オケが鳴り止んだ後でも歌が続く部分や、
カチカチ、チャカチャカ、クチャクチャ(←なんといっていいかわかんない。)
そうした言葉を重なり合わせて、何ともいえない重唱になっていて、
そこがとても楽しかったです。
いかさま女好き太っちょオトコのファルスタッフ。
お金目当てに二人の女性に同じラブレターを出し、それがバレて、
彼をこらしめようと周囲は協力してわなをしかける。
そんなドタバタ劇のなかで、一組の若い男女が、父親の政略結婚からのがれて結ばれる。
(・・・と上手に要約できませんが、そんな内容。)
劇の最後に、「最後に笑う者が笑う。世の中、冗談だらけ」と歌う。
いかさまファルスタッフをコテンパにやっつけて終わらず、平和にまとまる、そこが良いです。
このオペラ観ながら、「笑いとばせる人生、過ごそうや!」というメッセージにも思えました。
現実には無理でしょうけれど、そういう発想が良いですね。
シリアスな悲劇を書いてきたヴェルディの最後のオペラがこうしたブッファということが
大変、興味深いです。
これについては、さまざまな音楽評論家が独自の解説をされていて、
そこがまた興味深いです。
ファルスタッフ役のポール・プリシュカの声量と声質、すばらしかった。
でもって、やっぱりメトロポリタン劇場はすごい!
今回も本物の馬が登場しました!!第桂襪如G呂世韻任覆羊もです!
常任指揮者のジェームス・レヴァインもさすが!!
あらゆるオペラを巧みにあやつる魔術師みたい。
指揮だけでなく、おなかの膨らみも、ファルスタッフ役の人に負けていませんでした!
・・・て、そこまで大きくなかったです。すんません。
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ファルスタッフ:ポール・プリシュカ
フォード:ブルーノ・ポーラ
フェント:フランク・ロバート
医師カイウス:ピエロ・デ・パロマ
指揮 ジェームズ・レヴァイン
メトロポリタン劇場管弦楽団・合唱団
演出 フランコ・ゼッフィレッリ
1992.10