なんて怖い夢をみたんだろう。
昨夜の夢は、本当に恐ろしい夢だった。
そこは波のたたない海のようでもあり、湖のようでもある。
場面はどうやら昼間、太陽が射しているようだった。
私は岸壁の上から見てる。
海は深緑と青がまじった宝石のように美しい海。
海は底まで透明で、茶色い藻のようなものも見えてる。
ダァーがそこに浮かんで遊んでる。
大海に一人浮かんで遊んでる。
その楽しそうな泳ぎをみて、私も幸せな気分になってる。
「ぐずろくも泳ぐかぁ~。」とダァーが呼ぶ。
「いいよー。ワタシはココで見てるから~~。」と返した。
見下ろす海。こんなに奇麗な海があるんだろうかと思いつつ、
けれども不思議なことに、透き通った海のなかに、魚が一匹も泳いでないんだ。
『奇麗な海だけど、魚が一匹もいないなんてね・・。』と思ってる。
ダァーがまた私を見上げて
「お~~い。気持ちいいぞぉ~」と私に呼びかけてる。
ぷかぷかと身体を浮かせてるダァーは本当に幸せそうだ。
けれど、ふと見ると、ダァーの泳ぐその海の底に、とぐろを巻いた巨大な蛇が見える。
巨大な蛇どころじゃない。大きさから言えば、蛇の怪物だ。
じわじわと体をくねらせて、ダァーの方へと近づいてる。
海の底から、だんだんと水面へと上がってきてるのがわかる。
「あ~~!!」
巨大な蛇は、どこか竜のようでもあり、巨大なうろこに背筋が凍った。
なんてことだと恐怖におののく。
『あぶない。あぶない。ダァーが危ない!』
海の底に沈んでいる大蛇はぐるぐるとゆっくりダァーに近づいてる。
襲われる。。。襲われるよ。。。
「ダァーさん!ダァーさぁ~~ん。」私は呼んだ。
「なんだぁ~~」
「早く海から出て~~っ!蛇がいるっ!海のなかに蛇がいるんだよ!そっちに近づいてるよ!
早く、早く、海から出て~~!はやくぅ~~!!」
ダァーは不思議そうな顔して、のんびりと近くの岸に泳ぎ着き、すんでのところで危機を脱した。
崖まで上ってきたダァーに私は胸をなでおろした。
「なに大きな声だしてんだ。蛇がいたのかぁ~?ほんとかぁ~~?」と聞く。
「いたよ、いたよ。蛇って、蛇じゃないよ。大蛇だよ。
ああ。。。よかった。助かって・・。もう少しで襲われるとこだったよ。
あんな蛇、みたことない。巨大だよ。巨大だよ。怖かった。あぁ、怖かった。
何十メートルもあったよ。何て怖いんだろ。あんな蛇みたことない。
この海の主なんだよ。きっと。あぁ・・ほんとによかった。助かって・・。」
夢は、いきなり場面が変わった。
「ここに来たから、エステのお風呂に入っていこうよね。。」
そう言って、死海を真似た塩分たっぷりのバスのあるサロンに行った。
その建物は、とても大きな施設で、死海風呂は、4つくらいある。
「きっと、バスには花びらがいっぱい浮かべてあってさ、身体プカプカ浮くんだよね。
アタシ、ずっとこういうの、入ってみたかったんだ。」と言って向かった。
すると、さっきの大蛇は、どこからかこの建物にもぐりこんでることがわかった。
きっとどこかの部屋にいて、入ってくる人間を食べるつもりなんだ。
私は思い切り走って建物から外に出た。
そこで目が覚めた・・・。
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夢のなかの大蛇は、まるで聖書に出てくるサタン。
聖書でサタンを象徴する動物は架空の動物、竜だ。
竜は蛇ととてもよく似てる。
あの巨大なうろこ、おぞましいうろこ。
なんと怖い夢をみたのだろう。
宝石のように美しかった海の光景も忘れられないけれど、
底にひそむ龍のようなあの大蛇。
この光景を絵に出来たら、どんなにか、この恐怖が伝えられるのに・・・。