今日の未明、ちい子が息をひきとった。
昨日の土曜日、演奏会があって愛知県まで行ってきた。
ちい子の具合は心配で祈りながら行ってきた。
途中、何度か心配で電話をした。
「ちい子、生きてる?」
母が言う。
「生きてるよー!」
夜7時過ぎに家に帰宅したら、ちい子の手足が30度あるとは思えなく冷たく、
お尻の穴から血がにじんでいて、血液の匂いが鼻をついた。
何度も母の腕のなかで、悲しげな声で泣いていた。
食事を母と二人でとり、ちい子の体温を温めるために、コタツを出し、
母の布団の横の、そのコタツのなかにちい子を入れた。
水も点滴のように入れ、身体をさすったけれど、何度も悲鳴のように泣く。
顔をちい子の顔にくっつけて、いつもように語りかけた。
「どぼじゃん、ちいは怖い。」そう言う。
「だいじょうぶだ。みんないるぞ。」
「ちいは怖い。」
「だいじょうぶだ。ちいは、ええ子やからな。」
「ちいはええ子か?」
「ええ子やで。」
「ちい・・今まで18年間ありがとう。どぼじゃんは、ちいが居て、幸せやった。
ちい・・ありがとう・・ほんまにありがとう。」
ちいは、この時、初めて泣き止んで、
そうしていつも満足したときにするしぐさの口をむにゅむにゅとさせた。
15分くらいして、また苦痛の声が始まったけれど、
母がとなりに寝てくれていると思い、2階に上がって布団に入った。
ちいのアンアンという泣き声が、しだいに力なくなり、だんだんと弱くなり、
泣き止む間隔が長くなってくるのを耳にしてた。
最後に聞いたのは、クゥン・・・という小さなか細い声だった。
今朝6時頃、母が二階にあがってきた。
「ちいちゃんが、死んでる・・。」
「死んだと思った。ゆうべ、死ぬ・・もうわかってた。」そう言った。
あのクゥンの前のアンアンは、
もしかしたら「ドボ・・ジャン」という呼びかけではなかったかと思うと、うつぶして号泣した。