気持ちはワクワク。
だって、アタシ、ヘンデルって言えば、《王宮の花火》くらいしか知らないんだもん。
有名なヘンデルのオラトリオ《メサイア》を観たかったけれど、
あれはオラトリオだからオペラじゃない。
「ヘンデルのオペラってどんなかしら・・・。」
んで、観た。ヘンデルのオペラ「アルチーナ」を。
シュツットガルト劇場、
演出はヨッシ・ヴィーラー&セルジョ・モラビント。
指揮はアラン・ハッカー。
DVDがスタートして、ヤな予感。
予感は当たり、この作品は現代モノにアレンジされてた。
ヘンだよ。魔女姉妹がワンピースだなんて。
でもって、驚くことに、魔女の上半身はシースルー。
ライトが当たると、乳房が丸見えなの。それを見せてるの。
でもって、魔女は、恋人の若い騎士と、もうブチュブチュのキス。
本当に唇つけてのキスしながら歌い、さらに魔女は騎士の股間に手を触れ、
寝そべって、股開いて、また歌を歌って、ブチュブチュのキス。
ポルノ的演出。お下劣。ひどすぎる。
流れてるヘンデルの音楽とは異質な演出。
いや、オペラの構成そのものがチンプなのよ。
この作品はモンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」とほぼ同じ時期。
オペラにおけるモンテヴェルディとヘンデルの才能の差は歴然だ。
まるで休符を恐れるかのような連続して鳴り止まない序曲といい、
二重唱も三重唱も、四重唱もない、ただ一人一人のソロが、順番に歌われるだけの構成。
群集(合唱)の登場もなければ、場面展開もなし。
モンテヴェルディは過去の音楽的作風を駆使し、あらゆる技法をオペラに用いたけれど、
ヘンデルは、モンテヴェルディ以前のカメラータ達がつくった通奏低音モノディーと
なんら差がないのではないか。
とても退屈なだけの数時間だった。
ヘンデルはオペラで人気を博したというが、それはドイツだったからではないか?
その後、英語でのオラトリオを初めて作った作曲家としてイギリスでもてはやされたらしいけど、
当時の音楽先進国イタリアでは、これなら相手にされなかったと思うわ。
ヘンデルのこのオペラ観て思ったわ。
「ヘンデルって、喋ったらクドクドしいオッサンか、
又はウケないジョークを周囲の空気を読めずに続ける人に違いないわ。」って。
ヘンデルのオペラ大失望。退屈でチンプなオペラだったわ。