「やはり、ラヴェルはオペラの人ではない。」ということ。
ドビュッシーがフランスオペラの代表といわれる「ペレアスとメリザンド」を書いたけれど、
ラヴェルはドビュッシーとは、もって生まれたものが、全然違うと思う。
あの音楽から伝わる「冷たさ」。
とても「人間ドラマ」を描くタイプではない作曲家。
(あくまで私の所感。)
そういうわけで観たオペラの 屮好撻ぅ鵑了?廚蓮▲ぅ織螢語でいうなら(?)
オペラブッファのような、おもしろおかしいドタバタ劇。人間以外に、
ゼンマイで動く人形を登場させてる。
とても美しい舞台。
おかしいのは、最期に歌い手が集まって
「とにかくスペイン風~~!!スペイン風~~!!」って歌う。
ちょうど、自信のない手料理を出して、皆があまり美味そうでない顔をしているとき、
「そんなに美味くは作れなかったけど、
とにかく、スペイン風~~!スペイン風~~に作ったもんね。」
と言って、「許してチョンマゲ!」と言ってるように思えた。
ラヴェルは、自分でもオペラ制作には自信がなかったんじゃないかしら。
この作品の制作年はわからないけど、オペラで、初期に完成させた、いわば試作のような作品でなかったかと思う。
(また調べてみよう。)
だってね、規模は小さい、小さいながら、「俺様こそ」のラヴェル独自の革新的新しさがないじゃない?
「とりあえず、作ってみました」みたいな・・・。
しいて言えば、血の通わない人形を登場させてるところが、ラヴェルらしいのかもしれないなぁ。
そういうわけで、異国の「スペイン」をもってきて、かろうじて、新しさを持ってくるしかなかったような苦しさを感じる。
(画像は、 屮好撻ぅ鵑了?
童話から抜け出てきたような舞台。)