オペラ「セビリアの理髪師」!!
以前、モーツアルトの「フィガロの結婚」を観て以来、この物語(3部作)の最初のブッファであるこのオペラをずっと観たかったのです。
ロッシーニの音楽CDといえば、さまざまなオペラの序曲を収録したCDをもっているだけで、このオペラも、「ウィリアム・テル」も観た事がなかった。だから、ようやく観れてとても嬉しい。
以前、作曲の先生から、なかなか曲が出来ずに悩んでいたとき
「次から次へと曲を書ける人なんていませんよ。
ロッシーニなら別だけど。」と言われたことがあった。
このオペラは、ロッシーニ24歳の時の作品で、なんと2週間で書き上げたとのこと。
当時のイタリアでは、
「ナポレオンは死んだが、別の男が現れた」とまで言われるほどの絶大な人気を得ていたらしい。
オペラを始めから最後まで観終わって、私の感想は、
「実にキチッキチッと書かれた設計図に基づいて作られたオペラ」のような気がした。
モーツアルトが、この原作の続編でもある「フィガロの結婚」を作り、それを観ていた私は、
「あの浮気者の伯爵と、その浮気に心痛めていた伯爵夫人には、こんな燃えるような恋愛があったんだねぇ。」と思い、
3部作最後の「罪の母」(まだ観たことがない。これはセリエのようだけど。)で、伯爵夫人が、今度は若い男との浮気の果てに、子供を生んだんだよねぇ・・。」などと考えると、
「人はみな、完全じゃないんだね。」と思えた。
・・・ちゅうか、コレ、あくまで物語やった。あはあは。
メトロポリタン歌劇場だけに、舞台は豪華で、本物の馬が登場したし、やっぱりゴージャス。ちなみにココの観客、ブラボーの掛け声の嵐!リアクションがすごいね!
出演者皆、すごい演技力&歌唱力。
なかでもバルトロ役のエンツォ・ダーラというバリトン、
もう見せ場がたくさんあって、見事な職人芸。すばらしい!!
オペラを観た日は、心が豊かになる。
あぁ・・ほんと、いいな。オペラって。
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アルマヴィーヴァ伯爵:ロックウェル・ブレイク
バルトロ:エンツォ・ダーラ
ロジーナ:キャスリン・バトル
フィガロ:レオ・ヌッチ
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮:ラルフ・ワィケルト
演出:ジョン・コックス