引き続き、ヴェルディのオペラ「マクベス」を観た。
結論から言うと、私には少々観るのがキツイと感じるオペラだった。
時間は2時間23分もある。
ヴェルディは生涯26作品のオペラを書き、それを分類すると
―稱験愿な胎動をみせた「第一期のオペラ・15作品」
感性豊かな個性が発揮された「第二期のオペラ・8作品」
4粟期とされる「第三期のオペラ・3作品」
に大別できるのだという。
この「マクベス」は、1847年に初演されたもので、第一期に属する作品で、シェイクスピアの戯曲をもとに描かれてる。
物語には色恋はなく、シェイクスピアの十八番ともいえる「復讐劇」でもあり、男性的な作品。
魔女や群集など、多くの合唱をふんだんに用いているのだけれど、やはり、第二期に書かれた「椿姫」や「リゴレット」(現在、途中まで観てる)、それに完成期に書かれた「アイーダ」の方が、私は好きだ。
この「マクベス」のDVDを鑑賞して、実は最初に笑ってしまった。
ほんと、ファンには申し訳ないのだけれど、指揮者のジュゼッペ・シノポリという指揮に、吹き出してしまったのだ。ごめんなさいです。
なんというかね、医師が施す心臓マッサージ用の電流機器(?)があるでしょ?
あれを施すと、患者がビクっと身体が動く・・・
その患者のような動きをする指揮なの。
でね、演奏がベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団なんだけど、まぁ、なんちゅうか、「ドイツやんけぇ~~!!!」ってかんじなの。
激しい!激しい!チョー激しいっ!!
いわゆる大げさ演奏ちゅうのか・・・
とにかく序曲が・・・なんちゅうか・・ドイツなんよ。。。
ドイツ語のアクセントがきつように、要所要所の部分に力みすぎっていうのか・・これ・・ヴェルディのオペラに合ってるん?ってかんじで、情緒が・・情緒が・・・・。
ここは、絶対ひそやかに美しく演奏する部分ちゃうんってとこまで。
けんども、まあ驚くことに、指揮者がバシっと指揮棒止めると、見事なまでに揃ってる!その見事な息のあったこと!
でも、やっぱり、指揮のお姿、笑っちゃう・・・。
コレ、「のだめカンタービレ」に、どこかで使ってほしい指揮者キャラ。
でもね、この壮大なスペクタルドラマを歌う歌い手のすごいこと。
ド素人の私でも、びっくらボヨヨンの声量。
いや~~~、出演者の歌声には、とにかく圧巻でございました。
ヴェルディっていう作曲家は、こうしたさまざまな異なる題材で、多くの作品を作っていたんですねぇ。
「マクベス」は、私には少しキツイ作品だったけど、引き続き、他の作品を観るのが待ち遠しい。
楽しみが出来て嬉しいな。
マクベス:レナート・ブルソン
マクベス夫人:ラーマ・ザンピエーリ
バンクオー:ジェームス・モリス
マクダフ:デニス・オニール
ダンカン:ゲッツ・ローゼ
指揮:ジュゼッペ・シノボリ
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団
演出:ルカ・ロンコーニ
1987年6月