Gちゃんは、遠くの島で育ち、松山に引っ越ししてきました。
娘のところにピアノを習いに来ていましたが、勉強との両立が難しいと一度ピアノをやめました。
ところが高校になって、今度は音楽の先生になりたいと言って娘のところに習いにきました。
楽典やソルフェージュ、ピアノを頑張っていましたが、娘が出産になったので、私が引き継ぐことになりました。
本人の希望で、埼玉大学音楽専修を受けることに決めました。
楽典、ソルフェージュ、ピアノは私が担当。
妹が声楽を担当しました。
妹の発表会で歌う彼女の声を聴いて、「この声は化けるかもしれない。ピアノ専攻でいくより、声楽で受けたほうが、伸びる。」と思いました。
早速、その日に本人とお母様を説得しました。
本人も歌が好きになったようでした。
吹奏楽部に所属して、勉強もして、とても大変だったと思います。
絶対合格してほしいと思っていたので厳しいことを言ってしまったこともあります。
センター試験が終わってから実技に伸びが見られました。
伴奏はこちらが準備しないといけなかったので、私の教え子で、
千葉県でピアノを教えているMちゃんにお願いしました。
Mちゃんは、東京音大ピアノ演奏家コースを卒業後、伴奏法で院まで出ているので安心です。
快く引き受けてくれました。
試験当日は緊張してしまい、ピアノはうまく弾けませんでした。
声楽は落ち着いて表現できたようです。
ピアノがうまくいかなかったので、落ちたことを想定して、頑張っている最中に
「埼玉大学音楽専修、推薦受かりました‼️」
とラインが来ました。
「おめでとう‼️やっぱり歌が良かったのかも」思わず電話しました。
よく聞いてみると彼女の叔父様は島歌で有名な方のようです。
彼女とはしばらくお別れです。寂しいけど、外国に留学したいとやる気満々の彼女の活躍が楽しみです。
竹本喜代美
