年に1度の発表会。妹、そして3年前からは娘も加わり、3人合同の発表会です。
毎年、生徒さんの成長、がんばりを「音」で聴くことができます。
今年は昨年にも増して、生徒さんの演奏は素晴らしいものがありました。生徒さんの演奏に胸がいっぱいになりました。
だけど、1つ足りないものがありました。
いつも客席で、
5~6時間におよぶ演奏を全て聴いて、時には指揮をしながら、音楽を口ずさみながら、大きな拍手を贈る、私の母がいませんでした。
昨年の発表会の時は母は、すでに肺癌を患っていました。「発表会を見にくるのは、今年がこれで最後かもしれない。」そんな気持ちで進行していました。
発表会の最後、私、妹、娘が舞台に並び、生徒さんからの花束を受け取るシーンで、
母は舞台を指差し、「あれが私の娘と孫なんよ!」
と、とても嬉しそうな笑顔で言ったと、
後に保護者の方から聞きました。
くよくよしていたら、「喜代美!!がんばれ!負けるな!」と激が飛び、発表会の後には「あんたはえらいなー。毎年続けるって大変なことよ。ようがんばっとる。」
と誉めてくれた母は今年は、家で寝ていました。その間、東京で教員になった甥っ子が介護をしてくれていました。とても、優しい甥っ子です。
発表会が終わると次の日から容態が悪くなり、入院となりました。まるで、発表会が終わるのを待っていたかのように。
入院してからは、母は、来てくれるみんなに、遺言めいたことを話しました。
痛みを抑えるモルヒネを飲んでいて、夢うつつの中でも、1人1人に的を得た話しをし、
親族が集まった時には、「この子らみんなばあちゃんの子と孫。立派ななぁ。」と満足そうでした。
発表会が1月11日。入院が15日。19日には意識がなくなり、19時55分、帰らぬ人となりました。
お母さん「ありがとう。」あなたが、こよなく愛した音楽。そして教育の道。孫、みんなが引き継ぎました。
来年度の発表会は空の上から、みんなの演奏を聴いてくれていると思います。
今でも、「喜代美!!がんばれ!」と言ってくれてると思います。
今は心の中にぽっかり穴が空いていて、何も手につきません。
だけど、きっと生徒さん達の明るい笑顔に救われると思います。
そして、今日、12月に広島で受けたステップアドバイザーの研修で、正アドバイザーに承認されたと、ピティナの本部から知らせが届きました。
今年度も、ピティナピアノコンペティションの審査、ステップでのアドバイス、高松でのアドバイスレッスン、そして御幸教室の生徒さんの指導。
がんばります!!
最後に母が教員退職後、編み物のコンクールで全国大会銅賞をとった作品を見てください。音符がついているのが、母らしいなと思います。
御幸教室 竹本喜代美

