映画「てなもんや商社」(1998)を見る | みんけんひでのブログ

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この作品は全くノーマークだった映画「てなもんや商社」(1998)。

主演は小林聡美で、「転校生」以来14年ぶりの主役映画だ。
小林はこの頃、三谷幸喜脚本のドラマ「やっぱり猫が好き」に出て、お茶の間でプチブレイクしていた。

監督は、これが初監督作となった本木克英。
のちに「釣りバカ日誌」(11~13)や「ゲゲゲの鬼太郎」「超高速! 参勤交代」「鴨川ホルモー」「犬と私の10の約束」などを撮っている。

原作は谷崎光の「中国てなもんや商社」で、自身のOL体験を元にしたノンフィクションだ。

キャストでは、小林の父親役に田中邦衛。
上司の王(ワン)さんに渡辺謙! 
その奥さんに桃井かおり。
他に柴俊夫、柴田理恵など。
香川さんは主人公の先輩で、慶応卒ながら中国の商社や工場のいい加減な対応に日夜頭を悩ませ、「自分が仕事ができないのは会社が教えてくれないからだ」と愚痴を言っている。
のちに中国へ単身赴任し、主人公と再会して逞しく成長した姿を見せている。

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↑ 渡辺謙が怪しい上司、ワンさんを好演。

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↑ 小林聡美も、大学生から新人OL。数年後に自信満々でばりばりと働く女性の両方を演じ分けているのはさすが!

映画では、デタラメの中国語で「こんにちは赤ちゃん」。少年隊の「仮面舞踏会」を踊りながら歌うシーンもある。


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↑ プリント前に重ねて畳んでしまい前後が張り付いたシャツ。形状記憶ジャンパー。英語のBが横にプリントされた服など、劇中に登場する(笑えない)中国の雑な仕事は、ほぼ実話らしい。

中国で、取引先をもてなす宴会で、何回も繰り返される乾杯の度に強い酒を飲まされ、主人公は潰れてしまい、肝心の鯉のぼりの検品ができなくなってしまう。
のちに主人公は、乾杯の時に酒を飲んだふりをしてやり過ごす術を覚えることになる。

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↑ 単身赴任で逞しく成長した香川さん。
この直後に、中国映画「鬼が来た!」の撮影で、役者としても逞しく成長することになる。


主人公の母の口癖は「金がないのは首がないのと同じ」。

また就職にあたって、父親(田中邦衛)が言う
「金は、稼ぐ、盗る、貰うの三つしかない。お前はどれにするか、早く決めろ」
は蓋し名言と思う。


全く期待してなかったが、ほんわりとする終わり方で、爆笑シーンこそ特にないが、意外に良かった。


作品評価 4.0(5点満点)