みんけんひでのブログ

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ヤフーブログ終了に伴い、こちらでブログ開設します。

ラピュ阿佐ヶ谷で森繁久彌特集をやっており、前から見たかった「地の涯に生きるもの」をやっていたので見てきました。




こちらがラピュタ阿佐ヶ谷








壁に書かれたサイン


よく見るといがらしみきおのものも。

席数はざっと50。自分の番号が24番で、その後数名いたのでざっと半分くらい埋まってる感じ。
客層は9割が自分より明らかに年上。つまり年金を貰ってる世代。噺家の快楽亭ブラック氏もいました。


映画は、1960年の製作。
動物小説の第一人者、戸川幸夫が同年に発表した「オホーツク老人」を読んだ森繁が、映画化を試み、プロダクションまで設立して東宝と共同制作した。
この映画がきっかけで名曲「知床旅情」が生まれた。この歌の歌詞については過去に当ブログでも記事にして取り上げている。



自分はてっきり白黒かと思っていたが、始まってみるとカラーだった。

国後、そしてウトロで漁師として生きてきた主人公を森繁が演じる。七十を過ぎた今は、冬の間、ネズミの被害から網を守る猫たちを世話するため、番屋でひとり留守番をしている。

彼の人生を描いたのがこの映画だ。

知床の自然を見るだけでも価値があるが、約七十年も前なのに、自然の景色はほとんど変わらないので時代を感じさせない。ところどころ出てくる蒸気機関車や村(といってもほぼセットだが)の風景や衣装に時代性を感じるだけだ。

とはいえ、今ではおよそ撮影できそうにないシーンもある。

子供の頃の主人公が海岸で子グマを見つけ、水をかけて遊ぶシーン。たぶん人に飼われて慣れていたクマを使ったのだろうが、今なら近くに母クマがおり、危険だから近づくな、などの理由でNGなシーンだろう。

他にも、猫がワシに襲われたり、船と並走してるイルカを銛で突き刺して殺したり、アザラシの子供を鉄砲で撃つシーンなどは、動物愛護の観点から撮影できないだろう。

有名な役者では森繁のほかに、草笛光子、司葉子、西村晃、中村是好、由利徹、左卜全など。
また主人公の次男役で山崎努も出ている。
売れる前の渥美清も出ていたようだ。気が付かなかったので、もしかしたら短縮版だからカットされたシーンに出ていたのかもしれない。

なお、映画のなかに知床旅情の歌は出てこない。

三人の息子も妻も亡くし、一人残された老人は、最後迷子になった猫を助けるため、誤って氷の海に落ち絶命してしまう。

森繁のプロダクションも、本作以降に2作目を作ったという情報はないところを見ると、興行的にはヒットしなかったのかもしれない。

主人公の妻が肺炎にかかり、ウトロには医者も薬もないので、ソリで網走を目指し、断崖をロープで登るシーンなどは凄絶と言うしかない。

また、何かで読んだ、年老いてネズミを捕らなくなった猫を、餌代惜しさに殺そうとする親方に、主人公が命乞いをするシーンも見られなかった。これも短縮版の所以だろうか?

主人公の三男が海で死ぬのも、国後がソ連領になったことと深い関わりがある。北方領土問題がストーリーの核にあるのだが、いまひとつその悔しさが伝わらない。
シリアスな話なのに、由利徹が出てきて喜劇っぽくなっているからだろうか。

あと、実際の自然とセットと、違いが明白なので、そうゆう部分ももう一つ入り込めなかった理由か。
木村大作が「剣岳 点の記」で本物にこだわった理由につながるかもしれない。

なんか今ひとつの内容なのだった。

しかしこのとき森繁はまだ四十代。七十過ぎの老人(昔の七十は今と違ってもうほとんどお年寄り)を演じるのは大変だったと思うが、そこは流石である。





帰りに駅前の店で食べた牛すじカレーとたこ焼き。また太るなぁ。