民間防災では阪神淡路大震災を機に、以前から構想していた無線電波を使った動きを、当時の経緯も取り込んで活動素材にしました。
無線というのは目に見えない代物で、何をするにも連絡ツールとしての存在が大きいですよね。
遊びで使うラジコンやドローンもこの無線電波で動作するのですが、通話ができるものではありません。
無線通話は横文字でいえば「ラジオ」と表現されるがごとく、言葉を使った伝達法がメインです。
とはいえ、片側通行のラジオ放送とは違う点があって、双方が通話できるのが無線交信ということ。
この電波は人が動く(伝令)より数段早く伝達できるという大きなメリットがあります。
そこで使っている無線機の種類や周波数帯に区分して、さらに電波の到達範囲なども考慮しながらチームを作っていただけるように仕掛けたのが「災害機動通信隊」という素材なんですね。
もっと身近なメリットはといえば、「つながれば安否は確認できる」ということ。
つまり、「通話仲間同士で守りあいが出来る」ことがスタート地点で、つながってしまえば安否確認につながるってことなんです。
スタート地点が低いおかげで、先ずは通信網の構築にも進みやすく、その後からのネットワークも広げやすいという素材なんですね。
さてさて、そういう緊急時にも活用が出来る素材を使った活動チームが、以前から参画者が多かった関東圏で新たに構築されます。
茨城県を活動拠点とした「災害機動通信隊 茨城企画室」を併設するチームで、まだお若い青年が手をあげられました。
さらに、チーム内での活動項目に「パトロール」を付加させて、日常活動時に無線機を用いて動きながら、実用訓練としていきます。
筆頭者には、日ごろに通話さえしていれば訓練にもなっていることで、あとは移動しながらの通話距離などを調べながら歩けばいい。反面、年代的に警察や消防無線などの緊急通話法を聞いたことが無いため、非常時に明瞭簡潔な通話ができるだろうか?が心配なところ。とお伝えしました。
短く発信するためには、それなりの語句(官庁用語や災害用語)も勉強しないといけませんし、受信側もその言葉を聞いて頭のスクリーンに描けられないといけません。
民間防災でもアナログ電波時代の消防波と警察波の記録は録ってあるのですが、これを聞いて頭の中で「漢字」に変換できる知識があるだろうかと心配ではあるのです。
このあたりは追々知恵を与えていくこととして、自分たちが不安全では動きがとれないということなので、先ずは居住先の安全策を施していただき、外活動ではどうやって通話ができる体制をとるのかなど、深堀して行っていただきます。
こういう風に、次なる世代に参画していただければ後世にも残せるだろうな~ と安どした瞬間なんですよ。
とにかく、次には太平洋側の大きな地震と関東圏での内陸地震も発生するでしょうから、それに向かっての初動に間に合わせていただきたいですね。
いつの時代も、災害時には有線電話や携帯電話は不通になってしまうことが多く、かなり深い問題を残してくれた「能登半島地震」。今もなお、無線交信があれば避難所同士の交流が出来ているはずだと感じています。
皆様の中でも必要性を感じられましたなら、ぜひともご活用なさってくださいね。m(__)m