最近、ネットで
「日本もイギリスを見習え！」
というコメントを見かけるようになって
何を見習うのかと思ったら、これですね。
イギリス、違法入国者をルワンダに送る。
正確にはasylum seekers。
不法に入国して難民申請する人たち。
イギリスは、違法に入国者した人を
ルワンダに送るという政策となっています。
ボリス政権の頃から進めてきた（2022年）
ドーバー海峡をゴムボートに乗って渡ってくるので
転覆があったりして、
海上保安庁がこれを保護しなければならないのですね。
それにまずお金がかかる。
2022年は５万人近くが渡ってきたそう。
そして、難民申請をする。
ゆりかごから墓場までのイギリス政府は、
どんな人にも（ほぼ）仮住まいを与えます。
外で寝なければならないホームレスの人と
仮住まいの人の各国データを
先日何かのニュースで見たんですけれども
（なんで見たか忘れてデータを添付できません）
イギリスは、他先進国に比べて
圧倒的にホームレスになるひとの割合が少なくて
仮住まいの人の数が非常に多い状況です。
これを良しとするかどうかは
議論のあるところです。
世論は、むしろ悪としています。
仮住まいというのは、
ホテルや賃貸物件を国が借り上げて
住まいが自分で確保できない人たちに
無料で貸し出しているシステム。
ゴムボートでやってきた人たちも、
生活保護を受けている人たちも、
この仮住まいのデータに含まれます。
そうやって、国がホテルや賃貸物件を借り上げると
物件の数自体が減り、
次に何が起きるかというと、物件数が減るので、
普通に賃貸を払って借りるのが困難に。
賃貸自体も上昇。
これだけが要因ではないけれど、
現在イギリスの賃貸は、毎月最高額を記録しています。
大学生の皆さんの賃貸、
聞くとそれはもう恐ろしい額。
不法入国者に与えている場合ではないというのが
国民感情と、政府の施策。
自国民ファーストを思うのは、どこの国も同じです。
というわけで、
イギリス政府は、不法に入国して難民申請した人を
ルワンダに送るという法律＆条約を作ったわけですね。
誰がそんな方法を思いついたのか。
Home Office（出入国管理）の官僚？
大体、人道的にそんなことをしていいのか？
と不可解に思っていたら、
そりゃそうでしょう。
イギリス最高裁が、全会一致で待ったをかけた。
これが昨年の11月のことです。
最高裁は言っています。
真の意味での難民は、本国に返されると迫害を受ける恐れがあること。
欧州人権条約に、ルワンダ法は抵触していること。
イギリスは批准加盟国。
ルワンダは、人権について未熟であるために
難民の取り扱いに懸念があること。
これに対しルワンダ政府は、なんて失礼な！！！
と怒り大爆発のクレームをつけたんですけども
ルワンダのクレーム云々を差し引いても、
至極真っ当な判決だと思います。
最高裁ですよ。
最高裁がこのように決定したんだから
法律も条約も破棄されるのかと思ったら、
イギリス政府は、ちょこちょこっと修正して
先月、法律が議会を通過。
そんなのあり？
欧州人権法への抵触の部分はどうなったのかしら？
あんまり報道がないんだけれど。
そこは無視か？！
不法移民、これはもう世界共通の課題。
なんとかしなければならないのはわかる。
しかしながら、
現段階での人類が作り上げた叡智、
三権分立や、人権
これを無視するのは、
自分たちの首をしめることになると思うんだけど。
難民申請をして却下となった人たちも
ルワンダ送りになるそうです。
本国に帰させられるんじゃなくて、ルワンダへ。
また、イギリスに行くと、ルワンダ送りになるので
イギリスと地続きのアイルランドに
不法入国者が大挙している報道がされています。
アイルランド政府は早急な対応が必要と。
これに関して、イギリスは他国の問題なので関与しないそう。
加えて、ルワンダ法にかかるコストも莫大です。
詳しい数字は書きませんが、
まあ、政府もメディアも国民も予算の話はしない。
莫大だけど、長期的に見ると高くないってのが政府の見解で
国民は、多少高くても出ていってもらいたいというのが本音でしょうか。
各国、移民政策待ったなし。
ルワンダ法が、世界のスタンダードになるような
そんな世の中になりませんように。
