学校。
「じゃーな、ケント!」
「おう!」
手に持っていた携帯が鳴る。カナメからだ。
嬉しくて顔が少し赤くなった。
「も…もしもし?」
『ケント、これから少しだけ時間いいかな?』
「何だよ、朝別れたばかりだろ?そんなにオレに会いたいのか?」
やった。1回言ってみたかったんだよな。
『何言ってんの、気持ち悪い。話しがあるんだ。ケントんち、行ってもいい?』
「(気持ち悪いってコイツ…)いいよ。じゃあ後でな」
電話を切るカナメ。スマホをじっと見つめて暗い表情を浮かべる。
ケント宅。
夕暮れが差し込む少し暗めの部屋。ソファの上で行儀よく座るカナメ。
アッシュの事を言ってもケントは意味がわからない。
それにケントには関係のない話だ…
ケントが扉を開けて入ってきた。
「何だよ、かしこまって」
「ケント、座って」
「?」
部屋に沈黙が続く。
ただならぬ様子にケントが話しを切り出した。
「どうしたんだよ?話しって?」
「ケント…私と別れて」
「は?何言って…」
「きのう、私がスタジオを出た後キリトが倒れたでしょ?」
「!」
「あれ、私のせいなんだ。
キリト、今気持ちが不安定みたいで私が支えてあげないとアイツ…ダメになる」
「…何だよそれ…」
「ごめん、ケント…」
「ごめんってお前、
何でカナメがキリトさんの面倒見なきゃいなきゃなんないんだよ?
キリトさんとはこの前会ったばかりじゃん。
キリトさんとはこの前会ったばかりじゃん。
それにキリトさんにはリナさんがいるだろ?」
「リナさんじゃダメなんだ…私じゃないと…」
「意味わかんねーよ!訳を言えよ!」
「私が……」
ダメだ。私がアッシュだなんて言ってケントが納得する訳ない…
黙ってるカナメを見てケントが溜め息。
「…キリトさんとたまに会うだけだろ?オレ達が別れる必要はないじゃん。
別にオレ怒んねーよ。お前の事は今まで散々待ったしな」
「…」
「でもたまにはデート位してくれよな。じゃないとさすがのオレも嫌だし」
カナメは伏し目がちに顔を背けた。
「わたし……ごめんケント」
「ふざけるなよ!?じゃあオレはどうなるんだよ!
オレだってお前がいないと…!」
カナメの目から涙が流れた。
ケント、その顔を見て驚く。
「ごめん…ごめんね、ケント」
カナメが泣くの…初めて見た…
いたたまれなくなったケント。カバンを持って家を飛び出す。
「ケント!?」
呼びかけにも答えず扉を乱暴に開けてとにかく走った。
呆然とするカナメ。
その後ひどい脱力感が襲ってきた。
カバンを持ってケントの家を出る。
鍵をかけてキーリングからケントの家の鍵をはずす。
鍵をかけてキーリングからケントの家の鍵をはずす。
しばらく鍵を見つめてポストへいれた。
翌日。
病院へ向かったカナメ。
「大丈夫っすか、キリトさん?」
「うん。ごめんねレンくん、お店まかしちゃって」
「気にしないでゆっくり休んで下さい!
キリトさんの穴はオレ達みんなでうめますから!」
「ありがと」
コンコンコンッ。
病室の扉からノックが聞こえ扉が開く。
思わぬ来客に2人が驚く。
「カナメちゃん!お見舞いっすか?」
「うん。こんにちは…」
レンの隣に座るカナメ。
「学校終わったの、カナメちゃん」
「うん」
「えっ、カナメちゃん学生なんスか!?」
「そ。音高に通ってるんだ」
「高校生!?」
レン、キリトに近づき、
(キリトさんっ、カイトさんこの事知ってるんスか!?
高校生の彼女はちょっとまずくないですか!?)
小声で話すレンくん。キリト、ムッとして
「カナメちゃんはカイトさんの彼女じゃないよ。
それに、好きだったら年齢なんて関係ないと思うな」
「そ…そうっスか…」
「あの、ごめんレンくん。キリトとちょっと話しがあるんだけど…」
「はっ、すいません気が利かなくて!自分、そろそろ仕事に戻るっす!
じゃあキリトさん、お大事に!ゆっくりしてって下さいね、カナメちゃん!」
「ありがと、レンくん」
慌てて病室を出て行くレン。
「なんか悪い事しちゃったなー」
「いいよ、レンくんには後でちゃんとお礼言うし。で、話しって何カナメちゃん」
「うん。前にキリト、私に付き合おうって言ってくれたよね?
あの後いろいろあったけどキリトが倒れてわたし、本当に不安になった。
また何かあったら心配だしこれからはキリトと一緒にいようと思って」
「それって…」
「毎日会うのは無理だけど、電話やメールで連絡取り合おうよ。
都合が合うようだったら遊びにも行けるし…」
キリト、カナメをぎゅっと抱きしめる。
「どうしよ…オレ、めちゃくちゃ嬉しい…」
カナメ、苦笑い。
わたしのせいでキリトをこんな風にしてしまったんだ。
今のわたしに出来る事でちゃんとキリトに償おう。
今のわたしに出来る事でちゃんとキリトに償おう。
