去勢オスヤギを飼いたい人へ 我が家の去勢オスヤギのお話をつらつらと | Holiday

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ペットのヤクシマヤギと散歩しながら
工作を楽しんでいます。

☆注意☆
動物大好きですが、
愛護精神にあふれるブログでは
ありません。

 

マーブルママファミリ-のペットヤギ マーブルとぽて丸。

 

マーブルは年が明ければ10歳を迎えるということで

ここいらでもう一度、去勢オスヤギについてちゃんと自分でも振り返っておきたいな、と思ったのです。

 

なんせペットヤギの世界では去勢オスなんて少数派。

手探り状態での10年でしたから。

 

 

 

マーブルもぽて丸も【ヤクシマヤギ】とはいうものの、ヤギの世界では【雑種】にあたります。

【日本在来種】という言い方もしますね。

対する【日本ザーネン種】というのが乳用品種として一般的に知られている、

いわば正統派キラキラのヤギになります。

これとは別に日本固有の【シバヤギ】という少し小型のヤギもいます。

 

ペットとして飼育されているのは【シバヤギ】【トカラヤギ】【ヤクシマヤギ】などが多いのでは?

 

これらはすべて【有角】【周年発情】【野性的】【日本ザーネンと比較して小型】という特徴があります。

 

同じヤギといっても飼育方法や注意点も違います。

犬や猫だって品種によってとても大きな差があるのと同様、

ヤギもひとくくりでは語れないのではないかと思っています。

 

なので、これからヤギを飼いたいな~、という人の参考になるように

個人的な意見を、デメリットも隠さずにオープンにしていこうと思います。

 

 

①ヤギを飼う前に

まず、ネットで検索するなり、飼育本を購入するなりして、ヤギについて知ってほしいと思います。

風雨をしのげる小屋、脱走名人のヤギが飛び越えられない高さの柵、

牧草の入手ルート、そして一番大変な獣医さん探しなどの準備も必要です。

 

ヤギを診察できる獣医さんは少ないので、電話帳で片っ端から問い合わせをしましょう。

断られても断られてもめげずに探してください。

いざ急病になって慌てても間に合いません。

 

青草がある環境でも梅雨時や冬など、乾草が必要になります。

反芻動物に食べさせるエサは【A飼料】(ウサギ用などは本来不可)のみです。

 

 

②ヤギの選び方

ヤギを飼う目的にもよりますが、乳を目的にする場合は日本ザーネンになります。

【雑種】【日本在来種】の乳量は少ないので、仔ヤギを育てる分しかありません

 

オスヤギは力も強く、角の断面がくさび形をしていてのようになっています。

ベニヤ板くらいは楽々と破壊しますから、頭突きされたらケガは必至です。

自分の尿や精液を顔に塗りたくるので、かなりニオイがキツいです

500m離れていても風向きによってはニオイが届きます。

住宅街での飼育はほぼ不可能だと思います。

 

メスヤギは繁殖目的で飼いたい人に人気があります。仔ヤギ、可愛いですからね~。

でも【雑種】【日本在来種】の場合、21日周期で発情し、オスを求めて昼夜を問わず啼きまくります

メスヤギでも角がありますので、気が強いです。頭突きされたら青あざだらけになります。

 

去勢オスは、オスヤギ特有のニオイも抑えられ、メスヤギのような発情啼きもなく、大人しめです。

扱いやすくてペット向きだと思う反面、【尿石症】のリスクが高くなります。

オスヤギの尿管はS字になっていて、石が詰まってもカテーテルを通すことが難しいので

お尻側にバイパスを作る手術をして、おしっこ垂れ流し状態になってしまうことがほとんどです。

手術が遅れての死亡例も。

あまりに早い月齢での去勢手術は【尿石症】のリスクをさらに高めると言われています。

牧場で輪ゴムを使った去勢方法もありますが痛みが長引くため、睾丸を切開して精巣をを取り出す観血手術で行われることもあります。

去勢については家にお迎えしてからでも充分間に合いますので、慌てなくても大丈夫です

 

 

③除角について

【雑種】【日本在来種】は有角です。

除角の方法としては、薬品を使って角芽を焼き切ったり、デホーナーという焼きごてで角芽を焼き切るので、大変な作業です。

ヤギの角には神経が通っていますので、角が成長してからの除角はヤギにとっての負担が大きいです。

傷口が塞がらず、膿んだり、ウジがわいたりすることも。

除角するなら生後なるべく早いうちに、遅くても1ヶ月以内がいいようです。

角が小さいうちは角芽も小さいので、焼き切る部分が少なくてすむのです。

傷跡も小さくすむので、治りも早いです。

家に迎えてからでは間に合いませんので、繁殖させた牧場や個人のお宅にいる間に行っておく必要があります。

 

 

④ヤギの甘え啼き

ヤギは本来群れで生活する生き物なので、孤独を嫌います。

仲間を呼ぶ声も遠くまで届かせるために大きい!

マーブルの場合、迎えた初日にパトカーが来ました・・・。

ご近所には事前に挨拶してあったのですが、偶然通りかかった散歩中の人に

「子どもが虐待されているような異様な叫び声がする!」

と通報されてしまいました。

 

2頭飼いになった今でも、早朝5時には啼き始めるので、飼い主は4:30起床。

黙らせるために?オヤツのキャベツの外葉を与えたり、

タイミングに合わせてエサの乾草を与えるようにしています。

 

 

⑤多頭飼育について

甘え啼き、寂し啼きを軽減するために有効な手段です。

ただし!! 1頭目と2頭目の性別や角の有無を揃えるのが望ましいです

雄雌の力の差、体格差を考えても、オスが本気になったらメスがケガをします。

有角同士であっても、雄雌で太さと形状が異なるので、メスの角がへし折られて大ケガする事案も発生しています。

 

 

⑥鉱塩について

ミネラル分補給のために必ず用意します。

いくつかの飼料メーカーから販売されていますので、JAや獣医さんを通じて購入することが多いです。

成分の異なるものがいくつもあるので迷うところですが

我が家の去勢オスに与えているのはこれ。

尿石症予防効果があるというアンモ配合。

他のメーカーのものと比べて粒子が粗く、吸湿しやすいのでボロボロ崩れやすいのですが

嗜好性がよく、ゴリゴリと齧って食べています。

塩分を摂る→水を飲む→たくさんおしっこをする→石の排出を促す、という効果もありそう。

5kgブロックの4個セット売りなので、お近くのヤギ飼いさんとシェアするのがおすすめです。

 

 

⑦飲み水について

未だに「ウサギは水を飲まない」「ヤギは水を飲まない」と言う方がいて、びっくりします。

常識的に考えて、水、飲むでしょ!!!

ヤギなんて、ズーコズーコ音立てて吸い込むように飲みます!!

毎日新鮮なお水を用意してあげてください。

 

 

⑧エサについて

ヤギは樹葉や青草も食べますが、毒草による中毒もありますので、どの植物がダメなのか、

しっかり勉強してほしいと思います。

今の時代、ネットで検索すれば出てきます。

「家畜」「中毒」「毒草」などでヒットすると思いますが、身近なところではワラビ、球根植物、ツツジ科、とか。

マメ科牧草のクローバーや葛などの食べ過ぎも胃の中で異常発酵を起こしやすいですし、

シュウ酸を多く含むスイバやイタドリなどは、尿石症を起こしやすくしますので食べ過ぎ注意!

 

乾草の種類もいろいろあって迷いますよね。

イタリアンライグラス、チモシー、チモシーダブルプレス、チモシー1番刈り、チモシー2番刈り、国産チモシー、ヘイキューブなどなど。

我が家はチモシーのダブルプレス30kgベールを1ヶ月に4ベールほど。

乾草も保管状況によっては内部でカビが繁殖して、カビ中毒(毒性が強い)を起こしますので

飼い主さんが自分の目で、鼻で、毎日確認してください。

 

 

⑨家畜保健衛生所への届け出

毎年報告義務があります。 地域で伝染病が発生した場合、防疫のためにヤギも・・・汗

また、ヤギが亡くなった場合、基本的には家畜保健衛生所へ運び、

頭部は病理検査のために東京へ、胴体部分は化製場で処分されます

犬猫のように、火葬してお骨を・・・というのはほぼ不可能です。

ペットとして飼育していても、法律上は【家畜】であることを覚悟しなければいけません

 

 

⑩地域的な伝染病の問題

地域的に土壌由来の伝染病というものが存在します。

炭疽病、破傷風などが代表例ですが、土壌的に汚染されている地域があるのです。

洪水などがきっかけで発生リスクが高まりますので、お住まいの地域が該当するのかどうか、

把握しておく必要があります。

 

 

⑪定期的に削蹄をしましょう

蹄は外側の堅い部分が伸びてきて、だんだんと内側に巻いたり、外側に反ったりして

細菌が繁殖して病巣ができたり、関節を傷めたりします。

ニッパーや剪定ばさみで定期的に削蹄をして、蹄を清潔に保つよう心がけています。

 

 

⑫腰麻痺予防、寄生虫予防について

腰麻痺は糸状虫症の一つで犬でいうフィラリアです。 ヤギの場合、牛→蚊→ヤギときた糸状虫が

脳脊髄へ迷入することで麻痺が起こります。

【雑種】【日本在来種】は耐性がある、といわれていますが、実際に罹患したヤギの話を何件も知っていますので

予防接種かスポット薬で予防しています。

内部寄生虫、外部寄生虫についても予防効果のある薬がありますので予防するに越したことはないと思っています。

 

 

 

*追記*

 

⑬冬でも寄生虫予防薬が必要だと思っている

犬猫を動物病院に連れて行くと、フィラリアやマダニ対策のポスターを見かけると思います。

ほとんどが春先から晩秋までの、対策の呼びかけですよね。

蚊に関してはシーズン限定の対策でいいとは思いますが

マダニに関しては、厳寒期でも必要なんじゃないかな、と思っています。

ブログ読者の方はご存じだと思いますけど、マーブルママは元ハンターなので

狩猟鳥獣を自分で捌くことがあるんですが

真冬でもシラミやマダニがびっくりするくらいいるんですよ。

ヤツらは綿毛の中でぬくぬくと暮らしているのです。

 

予防薬として一番のお薦めなのは、コレ。

【アイボメックトピカル】http://www.zenoaq.jp/product/pd-587.html

ノーベル賞受賞で有名になったイベルメクチン製剤です。

「マダニの給血を抑制する」と製品説明に記載があります。

ただし、搾乳中の場合は乳の出荷制限がかかるとの記載があるので

ザーネン系飼育の場合、要注意です。


もう一つは、次世代型イベルメクチン製剤といわれる【エプリネックストピカル】

http://www.zenoaq.jp/product/pd-686.html

こちらは残念ながら「マダニ」に関する記載がありません。

でも乳の出荷制限がありませんので、ザーネン系でも安心かもしれませんね。

 

 

つらつらと思いついたことを書き殴りましたが、書き忘れたことがあれば追記していきたいと思います。