待望の妊娠で「両親にはいつ報告しよう」「女の子かな?男の子かな?」なんて期待で胸を膨らませていた。ワクワクしながらクリニックに行き、そんな時に言い渡された「流産」。
「なんでみんなはうまくいっているのに」「なんで私だけ」「私何かしたかな?」と他人を恨み、自分を責め続けて・・・。
夫や友達からも「次は大丈夫だよ」「○○は悪くないよ」「まだ若いから大丈夫」なんて言われて、つらい気持ちを全然理解してもらえず。結局つらい思いをしているのは自分だけなんだと惨めな気持ちになったことを今でも思い出します。
ネットで立ち直り方を調べても「時間が解決してくれる」とか「12週までの流産はほとんどが遺伝子異常だからしょうがない」と正論パンチ。「そんなことはわかってるんだよ!」と思いませんか。
どのサイトも、心の表面をなでなでしてくるけど上っ面。「私の心の奥底まで癒してくれないなら、せめて前を向けるようなアクション方法を教えてよ!」って叫んでいるあなたに。
今回は、妊娠8週の稽留流産を経験した私が「前を向けた2つの行動」についてお話していきます。
ひねくれている私が「これはしょうがないね」「案外自分って不幸じゃないのかも」と思えたエピソードです。よくあるサイトのように数多くの方法はお伝え出来ませんが、本当に前を向けた行動なので、参考になるかもしれません。
① 本を読む
流産したとき「自分だけじゃないよね」と仲間探しのためにネットサーフィンしてませんか。私もそのうちの一人でした。確かに、同じように流産した人も見つけることはできましたけど、同時に妊娠した人や出産した人も目に入ってしまって、余計につらくなりました。
そんなときに、図書館や本屋に行くと、半ば強制的にネットの世界から離れることができます。だって、図書館や本屋でスマホをいじっていると盗撮と勘違いされそうで、自然とスマホはしまって本棚に集中せざる負えないからです。そして、仕方ないかと本棚を端から端まで見ていると結構興味のある本が見つかるんですよ。
そんな風に、ネットから自分を遠ざけるために図書館や本屋に行くことをお勧めします。確かに、外出すると妊婦や子連れに遭遇することはあるかもしれませんが、一度図書館や本屋にたどり着けばあまりいないですよね。立ち読みしたり静かにしなきゃいけなかったり、妊婦や子連れはあまり向いていない場所ですもんね。
「いやいや私読書本当に好きじゃなくって」という方にも一つ読んでほしい本があります。それは杉俊隆さんの「不育症学級改訂3版」です。アマゾンや楽天では出てこなかったのですが、ネットで調べれば出てきます。
私はこの本を読んで「前を向けた」と言っても過言ではないくらいです。
著者の杉俊隆さんは不妊治療のクリニックの方ですが、この杉ウィメンズクリニック、不妊治療クリニックを探したことある人はほとんどの人聞いたことあるんじゃないかなと思うくらい有名です。
本の内容は「流産は遺伝子異常がほとんど」というパートと「不育症の定義や治療内容」というパートにわかれています。私はその中で、「流産は遺伝子異常がほとんど」という話に心を動かされました。
「そんなこと知ってるよ!」っていうひねくれものの私でも「こんだけ言われたらわかったから・・・」「しょうがないのね、わかりました」と笑えるくらいしつこく「流産」について書かれています。
本自体薄くて、文字も大きく、余白もある、難しい言葉も使われていなくて、本当に読みやすい!騙されたと思って読んでほしい!
②友達に会う
流産したときはとても悲観的で友達に会う気になれない方は多いと思います。私もまったくに乗る気ではなかったのですが、何年かぶりに地元に帰ってきたタイミングで声を掛けられ、仕方なく会うことにしました。結果、「大変なのは自分だけじゃないんだな」と心から思うことができました。
会った友達は2人で、1人は独身の子、1人は1歳の子どもがいる子でした。私の流産の経験も「大変だったね」と聞いてくれましたが、メインの話題は「彼氏や夫の愚痴」。友達二人ともだいぶ不満がたまってたようで、かなり盛り上がりました。
その帰り道に「私は子どもこそ恵まれなかったけれど、好きな人と結婚できたし、この人と2人でも十分幸せだ。あの子たちも苦労してる・・・むしろ、あの子たちのほうがかわいそう」とまで思いました。
もしあそこで、流産のことを根ほり葉ほり聞かれて慰められたりしていたら、心がえぐられていたでしょう。もしかすると友達が気を遣ってくれたのかもしれませんが、こんなときくらいは甘えてもいいかもしれません。自分とは立場が異なる友達に会ってみると、今まで当たり前だったことがそうではないことに気づかされますよ。
さて、「流産は誰のせいでもない」「しょうがない」と本気で思えた私の行動をお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
「時間が解決してくれる」とは言うけれど「時間が経つまではどうしたらいいんだよ」と思っていた私が実際に前を向けた方法です。
「どんな言葉も響かない」「やる気が起きない」「気力がないから困っているんだよ」という方は、今までの生活が戻ってくるまで何もできないのでしょうか。その沈んだ気持ちが浮き上がってくるのを待っているなら、「時間が解決する」と言っているのと同じだと思います。流産後に湧いて出た怒りや悲しみにある程度向き合えたら、一歩行動してみると心がついてくるかもしれません。
行動が先か、心の回復が先か。正解はないですが、もし、ネットで自分の心の置き所を探し続けているだけなら、実際に足を運んでみて寄りどころを探してみてもいいかもしれませんね。
