愛知県庁本庁舎 | にっくんのブログ

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1、愛知県庁本庁舎


にっくんのブログ-愛知県庁


 名古屋城の南東、三の丸の大津橋通りに面して、名古屋市庁舎の南に建っています。
 名古屋城の天守閣の屋根を模した緑青で被われた銅葺きの入母屋屋根と千鳥破風を配した塔屋部分が印象的な、典型的な帝冠様式の建築物です。
 昭和13年(1938年)3月22日に竣工しました。鉄筋鉄骨コンクリート造り、地上6階、地下1階。塔屋1階。高さ39.79メートルの建築物です。
 城郭風の塔屋は西面の正面だけではなく、南面、北面にも、少し規模を小さくした城郭風の塔屋を設けられています。
 外観は1階は花崗岩貼り、2階から5階までは黄褐色のタイル貼り。6階から上は、城郭の白漆喰をイメージする白色の磁器タイルが貼られています。


2 愛知県庁本庁舎屋上 城郭風の塔屋


にっくんのブログ-愛知県庁屋上


 ここで帝冠様式について説明します。
 帝冠様式とは、戦前、1930年代にナショナリズムの昂揚とともに、建築界でそれまで流行していたモダニズム様式に代わり、近代的な建築に和式の屋根を載せた様式のことを言います。名古屋城をイメージした銅葺きの入母屋屋根を載せた愛知県庁庁舎はその典型と言われています。
 帝冠様式は下田菊太郎が1920年に帝国議会(国会議事堂)のコンペ案に発表した洋式の建物の上に日本風の屋根を載せた様式を「帝冠併合様式」と称したことに由来します。
 帝冠様式で有名なのは、隣の名古屋市庁舎。神奈川県庁舎。静岡県庁舎。東日本大震災で大きな被害を出した九段会館。上野の国立博物館。京都美術館などがあります。
 日本以外でも、日本の統治下にあった台湾や満州国などにも多くの帝冠様式の建物が造られました。
 愛知県では、愛知県庁や名古屋市役所の他、徳川美術館、千種区末盛の昭和塾堂。蒲郡のプリンスホテルなどが知られています。




3,講堂 2階中央通路奥にあります。


にっくんのブログ-講堂




4、知事室 3階南側にあります。大村知事の等身大の写真が飾られていました。


にっくんのブログ-知事室




5,貴賓室 5階中央にあります。豪華な造りです。


にっくんのブログ-貴賓室




 愛知県庁を見学して、どうしても隣の名古屋市庁舎と比較してしまいます。
 名古屋市庁舎は中央階段のアーチを多用した複雑な造りに見られるように、実に凝った意匠がふんだんに見られます。それに対して愛知県庁庁舎はシンプル。よく言えば質実剛健。悪く言えば地味な造りです。昭和8年に竣工した名古屋市庁舎に対して、愛知県庁舎は昭和13年に竣工しました。その五年間の間に、日本は大きく変わりました。その間、昭和11年に226事件が起こり軍部が台頭。そして昭和12年9月に蘆溝橋事件が起こり日中戦争に突入します。
 全くの個人的な意見ですが、このような世の中の雰囲気が、名古屋市庁舎と、愛知県庁庁舎の差になって出ているのではないでしょうか。