静岡県の生んだ世界的切り絵作家
福井利佐さんの個展が故郷静岡で開かれました。
TVで何度もCMが流れ何だか気持ち悪い絵だねえ・・・
と思っていましたが、
それが切り絵であると判ったのはかなり後になってからでした。
そう言えば、どこかのTV番組で
たまたま目にした事があったような、無かったような・・・。
HAGOROMO
鶏
ご存知の方も多いと思いますがすべて切り絵です。
カラーの部分は下に色のついた別の紙が敷かれています。
作品にググッと顔を近づけて見れば
たしかにハサミやメスのような物で切りぬいた跡が見えます。
彼女は大学では、グラフィックデザインを先行し、
自己の表現の場として切り絵を選択したそうです。
卒業制作で12人の顔を個性豊かに表現し
その後、切り絵作家の道を進み、数々の賞を受賞しました。
観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で
その技術たるや想像を遥かに超えた緻密な作業で
観る人の心を圧倒します。
作品は桐野夏生さんの書籍の装丁とか
中島美嘉さんのCDジャケットにと、多方面に活躍されています。
残念ながらこの日曜日に終了しましたが
大勢の方々に観て欲しい展覧会でした。
その後、県立美術館へ移動し、
18世紀のフランス画家ユベール・ロベールの
作品展を見て来ました。
ふざけた様な名前だけど
作品は呼吸を止めてみたいような素晴らしい細密画です。
建築家でもある彼の素描は既に芸術作品ですね。
ローマ留学中に
多くの古代の神殿や、凱旋門、ルネサンスやバロックの大建築を
自由に組み合わせた想像の風景画を確立しました。
そうそう、ローマの遺跡に遠くピラミッドが見える作品も有りました。
以前はそうでもなかったのに
今は17・8世紀の細密画に本当に心を奪われます。