シグルイ

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シグルイ
山口貴由(作画) 南條範夫(原作)
秋田書店 チャンピオンREDコミックス
全15巻
1巻発行日 2004/2/20

異例の真剣で行われる駿府城御前試合。平和な江戸の時代にあって、城主が真剣で御前試合をさせるなどとんでもないことであり、しかしその城主の暴走を止めることは家臣にはかなわず、命が無駄に失われようとしていた。

対戦するのは片腕の無い藤木源之助と盲目の伊良子清玄。元は同門の2人であるが、それぞれ身体機能の一部を喪失している。
物語はそれらの原因になったことや、さらに今日、決闘するに至った因縁が語られる。

物語の始まりは7年前、伊良子清玄による道場破りから始まる。虎眼流の道場に「先生とお手合わせ願いたい」と飛び込んだはいいが、ここはとんでもない道場だった。
ある掟がある。それは、「殺してはならない。色男にして返せ」である。色男とは言葉だけで、鼻をもいだり、耳を切り落としたりして、その凄惨な負け姿をさらさせることによって、虎眼流の強さを世間に誇示するというものである。

多勢に無勢ということもあり、伊良子清玄は破れ、座敷牢に囚われの身となる。だが、道場主である岩本虎眼の娘である三重を娶れば次期道場主は自分であるなどと考え、入門を志願する。

入門のみそぎを済ませた伊良子清玄は、藤木源之助同様に虎眼流の門弟になる。

そうして、剣技による様々な残酷絵巻を経て、最終15巻、真剣による御前試合の場面に戻り、壮絶な剣技の応酬が繰り広げられる。
全編を通じて、試合または殺し合いは凄惨を極め、かつグロテスクでもあり、剣の腕を磨くなどといった範疇を遥かに越えていて、狂人の果たし合いといった様相を呈する。
 

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