2024.09.07(土)　「鏡の向こうに映る故郷の記憶：幼き文助と母ナミの物語」【3】

早朝外気温15度日中最高気温26度空気質：22

みなさま、おはようございます。北海道苫小牧市『霊観占い大幸』代表の峰ゆり子です。今日もこのように皆さまと御縁をいただき、心から感謝申し上げます。また、いつもブログを温かく支えてくださる皆さま、本当にありがとうございます。どうぞ今日も、皆さまと共に素晴らしい1日の始まりを迎えましょう。

さて、本日は「白露（はくろ）」という節気を迎えました。午前4時のこの静かな瞬間、秋の気配がさらに深まり、肌に感じる冷たい空気がなんとも心地よく、自然の優しさに包まれているようです。草木にしっとりと降りた白い露が朝の光を浴びて静かに輝くその姿は、まるで大自然が私たちに季節の移ろいを優しく教えてくれているかのようです。私たちもまた、この自然の調和の中で心を澄ませ、1日1日を丁寧に大切に過ごしていきたいと存じます。

寒露は、秋が本格的に深まっていくことを告げる節気です。ここ北海道（苫小牧）では、今朝から夏の名残が完全に消え去り、涼やかな風が優しく吹き渡り、今朝の外気は寒さを感じる時期となりました。まだまだ日中との寒暖差が激しいですが、心と体が自然と新しい季節のリズムに馴染んでいくのを感じられます。秋は自分の内面に目を向けて、心の整理をし、新たなスタートに向けて自分自身を整えていく最適な時期です。

今日の月も、ゆっくりと満ちていく途上にあり、空を見上げるとあなたの心にも少しずつ優しい光を注いでくれる月が見えると思います。天秤座の月は「美しさと調和」をテーマに、あなたに日常の中で自分を癒し、優雅なひとときを過ごすことを促しています。今日の午後の陽が少し傾き始めるころ、月は蠍座へと移り、私たちの心に深い感情と向き合う時を静かに運んでくれるでしょう。

１年１年歳を重ねるごとに、私たちは人生の奥深さに少しずつ気づいていきます。若い頃には気づかなかった真理が、時を経て、ふとした瞬間に心の奥底で響くような出来事に出会うこともあります。それは、ありのままの自分を受け入れるということかもしれません。人生には、時として困難な道があります。それは仏教的に言えば「魂の成長」のための過程ですが、誰しもそのような苦労を避けたいと願うものです。それでも、魂の成長を促すのは、まさに「挑戦の道」なのです。挑戦することで、私たちは自分自身の新たな側面に気づき、成長の喜びを感じられるのです。

日本には「言霊」という美しい響きの言葉があります。その表現は「言葉には魂が宿り、その力が現実を動かす」と言われています。心に抱いている願いや夢を、ただの飾り言葉ではなく、はっきりと声に出して宇宙に宣言することで、そのエネルギーが広がり、現実へと近づいていきます。「いつかできれば」ではなく、「必ずこうなる」と信じ、強く思うことが、夢を現実へと引き寄せる鍵です。

今日は土曜日。お仕事がお休みの方も多いかと思います。ぜひこの日を、心穏やかに、リラックスして過ごしてみてくださいね。

昨日の続きから⤵

『鏡の向こうの占い師』第2弾: 親の子供時代」の序盤は、非常にミステリアスでスピリチュアルな雰囲気を盛り込んで書いてあります。文助叔父から聞いた話、文助の姉である叔母から聞いた話、母から聞かされた話、親戚の者から聞いた話などを総合的にまとめています。

『鏡の向こうの占い師』第2弾: 親の子供時代

突然消えた文助②

風が木々を揺らし、遠くから聴こえてくる風音に混じって、運命の扉が静かに開かれた。その瞬間、文助はふと別の世界へと引き込まれたのです。

彼が辿り着いたのは、層を重ねるように縦にそびえる岩の迷宮。そこに現れたのは、秋葉権現と名乗る仙人でした。文助の目の前には、川がゆったりと流れ、縦に細く伸びる岩の間に、わずかな隙間がありました。そこは、大人ひとりがかろうじて通れるほどの狭い入り口。通り抜けると、突然広がる世界に出会うのです。

その場所は、清らかな水が流れ、石で囲まれた丸い池がひっそりとたたずんでいました。静寂に包まれた祠の中には、ほんのりと暖かさを感じさせる空気が漂い、藁が敷かれた床には、ロウソクのかすかな灯りが幻想的な薄明かりを作り出していました。

初めて見る不思議な光景に、冒険心いっぱいの文助は、どこか新しい世界に来たようなワクワクした気持ちに満たされていました。彼はすぐに家に帰れるだろうと、軽やかに考えていたのです。けれども、その期待は次第に不安に変わっていきました。家に戻るどころか、文助は帰される気配すら感じることができず、日が経つにつれて、家族が恋しくなり、幼い彼はついに大声で泣き出してしまいました。

しかし、仙人はそんな文助に優しい言葉をかけることはなく、冷静に言いました。「泣いても帰さんぞ。お前はここで霊術修行をするのだ。」その言葉には、厳しさの中に、未来に向けた力強い導きが込められていたのです。

それでも文助は、まだ何も理解できず、ただ涙に暮れる日々が続きました。

一方、彼の家では大騒ぎが巻き起こっていました。文助が突然姿を消したことに、両親は心を痛め、村中の男たちに声をかけて、山や川を探し回る大捜索が行われていました。母親は、息子が神隠しに遭ったのだと信じ込み、村の神社でお百度参りを繰り返す日々を送っていました。祈りが通じることを信じ、何度も何度も、その祈りが届くようにと願いを込めて…。

しかし、1年が過ぎても、文助は家に戻ることはありませんでした。それでも、母親はあきらめず、毎晩丑三つ時に目を覚まし、村の神社でお百度参りを続けていたのです。夜の闇が深まる時間、ひとり静かに足を踏みしめる母親の姿は、まるで別世界の者のようでした。その顔には、痛みと祈りが刻み込まれ、村人たちは口々に「恐ろしいほど険しい表情をしていた」と語り継いでいます。

時が経つにつれ、村には奇妙な噂が流れ始めました。ある日、村人のひとりがこう言ったのです。「あの夜、わたしは確かに見た。文助の母親が、頭に角（つの）のようにロウソクを二本立てていたのを…」。その言葉は瞬く間に広がり、母親の姿がまるで何か霊的な存在に変わってしまったかのように、人々の間で語り草となっていきました。

夜な夜な神社で祈る母親の姿に、村人たちは次第に恐れを抱くようになりました。その祈りは、深く静かな夜の中で響き渡り、まるで彼女の魂そのものが、息子を取り戻そうと必死に宇宙へと呼びかけているようでした。母親の祈りはどこへ届くのか、そして文助はどこにいるのか。誰もがその結末を知ることなく、ただ祈りの行方を見守るばかりでした。

母親の必死の想いは、やがて村中の空気に不思議な緊張感をもたらしました。彼女の姿は、息子を求める母の愛と執念そのもの。しかし、その背後には、見えざる何かの力が働いているかのような、重苦しくも神秘的な空気が漂っていたのです。

――続きは明日へ。

文助が神秘的な力に導かれて仙人と出会い、突然、未知の場所へ引き込まれるという展開は、身内から聞いている私自身もドキドキして聞いていました。今回は小説として残したいという想いから、強い引き込まれる感覚を感じて書いております。この物語のスピリチュアルな要素が、文助の運命や成長にどのように関わっていくのかがとても興味深く感じて頂ければ幸いです。特に母親の強い愛と祈り、彼女が毎晩、「頭に角のようなローソクを二本立て」御百度を踏み続ける描写は実話です。