感想


悪鬼や業魔になりそうな人間を"完全に"間引くことで殺人が起きないようにした世界。


呪力を持つ人間と持たないバケネズミという"絶対的な"上下関係を築いて種別間の争いを無くした世界。


しかし、考えもしなかった隙からそれらは崩壊してしまう。


"完璧さ"で保たれていた秩序だからこそ、"完璧に"対策しなければ保てなかった秩序だからこそ、1回崩れれば止まらないのだろう。


平和そのものだった町は一瞬で地獄絵図となってしまった。


たった数日の間に町の有力者や仲間、両親を次々となくしていく主人公の気持ちを考えるととても耐えられるものではない。


私ならとっくに絶望し、自分も死ぬ運命を受け入れてしまうだろう。


しかし、主人公と生き残ったたった一人の仲間は諦めずに最後まで戦ってバケネズミの動きを止めることに成功した。


ここで諦めては途中で死んでいった仲間や友達に申し訳が立たないという思いだけで何度も何度も立ち上がり続けた主人公の強い気持ちが印象に残った。


身の回りの人達のことを強く思っていれば、例えその人達が死んでしまっても自分の心の中に行き続けて自分自身を何倍も何十倍も強くしてくれるのだと学んだ。


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