■自分にウソはつかない | セラピスト・ノート

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セラピストの経営について気付いた事を・・・株式会社呉竹(名古屋)

昔、フルコミッションで営業をしていた時の事。

S君という仕事仲間がいた。彼は有名な大学を出ていて、頭脳も明晰だった。新製品の説明会があると、S君は即座に内容を把握し、すぐにその講師よりも詳しいと思える程に、商品説明が出来た。

僕はと言えば、中々頭に入らず、いつまでたっても製品説明を、彼の様には出来なかった。


しかし

僕がいただいていたコミッションは、大袈裟でなく彼の10倍は下らなかった。そして、僕は後輩の指導をする様になり、その流れで、コンサルタントやカウンセラーの道を歩むようになった。


先日、たまたま、行列の出来るカウンセラーになるノウハウが書かれているブログを見た。この記事を読んだ時に、この人は本当は儲かってないな・・・と思った。恐らく、聞きかじりの情報をそのまま流しているのか、経験値が圧倒的に少ないのか、どちらかであろうと感じた。


文章の作りこみは、かなり上手であったが、見る人から見れば、ごまかしきれないものがある。そのブログを見ている時に、S君の事を思い出した。簡単に言えば、机上の理論と、実体験の差である。


現在は、講師と呼ばれる人が多い。


しかし、実際に現場の経験を踏んで、現場で成果を上げずに講師をしてしまうと、一時的には儲かる事もあるが、どこかの時点で底の浅さを露呈する状態になってしまう事が殆どである。

確かに講師業は、かなり自分の勉強になるしメリットもあるのだが、基本的に、その人がやってきた事しか伝わらないのだ。なので、わかんない人が、わかんない人に教えても、益々わからなくなるだけである。クライアントさんには、自分がやってきた事しか教えない方が、結果的には成功する早道であると伝えている。それは、自分に正直で誠実でいなさいというメッセージでもある。

ちなみにS君は、現在工場で働いているらしい。それで満足なら嬉しい事だが、当時夢を一緒に語った仲間なので、もしあの頃の夢をまだ描いているならば、力になりたいと今でも思っている。