高度成長期の頃、ある男が丼物の出前で商売を始めた。宅配業が流行り始めた頃である。満を持してオープンをしたつもりであったが、全く電話が鳴らない。そんな日々が数ヶ月続き、長年丁稚奉公で汗水たらして貯蓄してきたお金も底をつきかけた。これ以上お金を借りる信用も無い状況であった。
どうせ仕事も無いのに店にいても仕方ない。身内の薦めもあり、男は従業員を連れて、ある神社へ参拝に行った。その帰り道に、従業員から何気なくアイデアが出た。「大将、寿司を始めませんか?」以前から弟子であった彼は、寿司職人だった。その彼に握ってもらい、店は爆発的に繁盛をし始める。
私の父の話である。
「その神社はどこ?」と思った方がいらっしゃったら、ごめんなさい。
そこじゃないんすよ(笑)
実は簡単にアイデアが出る時は、二つの状況があります。
心が追い詰められた時と、心が開放された時です。
火事場の底力は、脳から指令されて起きる事。力というのは、脳から発せられるアイデアとも言えます。
そして開放は、トイレで用を足している時、シャワーを浴びている時、今まで考えても出てこなかったひらめきが、急に沸いてきたという体験もおありかと思います。
その二つの状況は、自分で作り出す事が容易にできます。また追々と書いていけたらと思いますが、一度ご自身で、じっくり考えてみると良いと思います。その方が、確実に自分の力になると思いますので。