28日は読書、夜はお世話になった講師の方とご飯へ。
教育について色々とお話をさせて頂きました。
特に印象に残ったのは、
神奈川県の相模原市にあるという学校法人シュタイナー学園のお話。
オーストリアの哲学者、シュタイナーの提唱する理念を
初等部、中等部、高等部と12年間一貫教育を通じて実践している学校とのこと。
シュタイナー教育について、詳しくは存じ上げないのですが、
「7年周期説」という、人には7年ごとに節目が訪れるという考えがあるそうで、
0歳から7歳で大切なのは、体をつくること
(やがて意思と行動力を生み出す源になる)、
7歳から14歳で大切なのは、芸術的な刺激に触れること
(やがて豊かな感情を持つことにつながる)、
14歳から21歳で大切なのは、抽象概念にふれ、思考力・判断力を養うこと
(世界について広く深い認識を持てるようになる)
とのこと。
こうしたシュタイナー教育の理念・理論に従って、
カリキュラムでは芸術に触れる時間が多かったり、
苦手な科目はやらなくていい、という選択肢があったりするそうです。
もしも自分が受けていたらどんな人間になっていたのか、
いまとは違った人間になっていそうな気もしてちょっと興味をそそられます。
両親にも学校と積極的に関わることが求められ、
学校としての正式な認可がなされている訳ではないにも関わらず
都内での仕事をやめ、この学校に入るために家族で移住する方も多いとか。
1学年1クラスという狭き門ですが、一部の人の間ではとても人気なのだそうです。
考えてみると、子供の教育を、家族全体の生活の中で最優先事項にし、
自分たちの仕事、生活パターンを大きくかえる決断をする保護者がいる、
というのはなかなかすごいことです。
学費も相当かかるようですし、卒業生のほとんどは大学は留学するということで、
大学まで含めると結構な投資です。
保護者の教育に対する価値観が学校と合致した上で、経済的な力、
実行力があって初めて成り立つものと思われます。
一つの教育方針なので、当然、合う人・合わないある人があるので
一部の人にとっては、「ばかばかしい」「そこまでしなくても立派に育つ」
と一蹴したくなるようなものかもしれません。
実際、ネット上には「ここの卒業生は協調性がなく、社会不適合」
というような批判もあるそうで、
少し調べていたらそうした書き込みも数多くありました。
逆に言うと、一定数の批判を受けるほど、それを是としている人がいる
ということです。
子供の教育のために、他の一切の生活を変える保護者もいるのです。
改めて、人の価値観の多様さを感じるとともに、
すべての人ではなく、一部の価値観の合う人に
「このために他の生活を変えた」
と言ってもらえるようなサービス提供を目指したいものだと思いました。