「会社員を辞めるコスト」はどのくらいでしょうか?
このまま会社員として働き続けるか、
会社をやめて起業あるいは個人事業主として独立するか、
葛藤している方が最近、少なくないように感じます。
どちらの道を選ぶべきか、自分が何を幸せとするかによるので、
もちろん、良い/悪いという話ではありません。
しかし、「決断」とは「何かを断つことを決める」である以上、
ある道を選ぶことで「断たれるもの」を具体的に把握することは、
後悔しない決断の助けになるのではと思います。
先月末で会社を辞めてから半月強がたち、
「仕事も時間も空間も経済的な面も、全てを自分で判断できる自由」
を手に入れた一方で、
「会社員を辞めるコスト」がリアルに見え始めてきました。
「会社員を辞める」といっても、
新卒から6年務めただけで能力も人間としての器もまだまだひよっこ、
かつ、独身の身軽な人間が辞めて、フリーランスになるためのコストです。
なので、ちっぽけなものですが、
現在進行中の今のうちにまとめてみたいと思います。
*****
会社員を辞めるコストには、大きく3つに分けられると思います。
1.経済的側面、2.社会的側面、3.心理的側面 です。
*****
1.経済的側面
・給与収入がなくなる
会社員を辞めるリスクといって真っ先に思い浮かぶのがこれではないでしょうか。
「現在の年収」×「これから勤務していたかもしれない年数分」の
定期的な収入見込みは消滅します。
昇格により見込める給与上昇分や、将来見込めた退職金分も同様です。
私の場合はベンチャー企業で、退職金はもともとありませんでしたが、
ストックオプションは手放す必要があり、上場したら・・・♡
という楽しみはなくなりました。
・名刺、通信費、交通費、パソコンなど会社支給の「仕事ツール」がなくなる
地味ですが、揃える必要があります。
名刺は、安いところで印刷するだけなら100枚で5000円とかからずできます。
デザインや紙質などこだわると、数万単位にもすぐなります。
通信費は、携帯電話に、Wifiも加えると、私の場合は月1万程度。
交通費は、都内での活動のみなら、私の場合は月2万程度。
パソコンは、ラップトップ(Mac book air)とOfficeの購入で15万強。
仕事スペースは、自宅あるいはカフェ、相手先の打ち合わせ場所になり、
特に借りたりしないので、コーヒー代程度です。
金額的にはトータルで初期費用20万弱、固定費として3万/月程度です。
時間は、選ぶための比較検討や購入後の設定が必要だったりと、
地味にかかりました。
・会社の福利厚生等が利用できなくなる
ベンチャーなので大したものはありませんでしたが、
各種研修への参加機会はなくなりました。
これまでも自己投資として、外部セミナーにはよく参加していましたが、
研修会社ならでは、ということで研修は研修で有益でした。
おすすめ本なども社内でちょこちょこ流通していたので、
自然と情報が入ってきていました。
今後の自己投資は、全て自分で情報を集め、自分で賄うしかありません。
・お金の管理を人任せにできなくなる
会社勤めの間は、営業は基本的に「売上をたてる」だけでOKでした。
請求書の発行作業や、最終的な利益確定まで、お金の管理は経理部に
任せておけばよかったのです。しかし、会社員を辞めて1人で行う場合は、
これらの経理業務を全て自分でやらなければなりません。
ある程度の規模であれば外注するというオプションもあると思いますが、
私の場合は、個人でこまごま活動するだけなので、自分でエクセルと
にらめっこすることになりそうです。
*****
2.社会的側面
・会社の肩書きをつかえなくなる
これもよく言われることです。会社員のときは、その会社が築き上げてきた
ナレッジやブランド、ネームバリューを利用できますが、個人になると、
たいてい、無名のただの人間になります。
私の場合、ベンチャー企業で、大手企業と比べると知名度は低かったですが、
業界の中では、勢いのある会社として認知が広まりつつありました。
初対面の方から、「あ、●●さんにお勤めてるんですね!」とスムーズに
関係をつくることができた、会社の肩書きがなくなります。
会社員を辞めると、「自分は何者なのか?」を自分の力で、周囲の人に
伝えていかなくてはなりません。
自分の土俵は何か、自分が提供できる価値は何か、を分かりやすく伝える力、
伝えるのを助けるツール(ホームページやメルマガ、名刺など)を
自分で確立していかなければなりません。
ワクワク、ドキドキする、独立の大きな醍醐味ではありますが、
新たに築いていく、という意味ではリソース投下が必須です。
・社会保障制度/納税の手続きを会社任せにできなくなる
社会保険は国民健康保険へ、
厚生年金は国民年金へ、
市民税は特別徴収から普通徴収へ、
所得税は年末調整のみから確定申告へ、
それぞれ切り替えなければなりません。
必要書類が何かを確認し、それらを揃え、区役所へ行きます。
地味に「何が必要か?」を抜け漏れなく確認するのに手間がかかります。
確定申告は、どうやらちょっと大変そう、と思うレベルなので、
具体的に何が必要か、さらに詳しく確認する必要があります。
とはいえ、行政のホームページなどを見て、法制度を学ぶのは勉強になります。
税徴収の仕組みを知ると、税の使い方にも多少敏感になります。
余談ですが、「あ~市民税ってこれくらい月々払ってるんだよな~」と
しみじみ思っていたら、市立の無料で使える素敵なワーキングスペース情報が
入ってきました(笑)これから使える情報でよかったです。
*****
3.心理面側面
・自分が動かねば誰からもフィードバックをもらえない怖さを受け止める
会社組織を離れ、1人で活動すると、
自分の成果を評価し、フィードバックをする「上司」はいなくなります。
自分が何も動かなければ、フィードバックをもらうこともありませんし、
立ち止まって振返る強制的な「機会」「きっかけ」が確実になくなります。
会社組織内でのフィードバックがどこまで有益に機能しているかは、
?マークがつくかもしれません。
ですが、四半期または半年、1年という周期で強制的に機会がある、
というのは、日々に流されがちな私にとっては大切でした。
会社員を辞めると自分で「お客さま」から声を集める以外に、
フィードバックを受ける機会がなくなる、という怖さに向き合う必要があります。
・会社を離れる寂しさを受け入れる
私の場合、会社を辞める決断するにあたって、一番つらかったポイントです。
「もう一度、大学時代の就活時に戻ったとしても、またこの会社に入りたい」
と今でも思います。大好きな会社であり、心から尊敬する社長でした。
だからこそ、辞めたからには、頑張って結果を出したい、という
モチベーションにはなります。が、寂しさは受け入れる必要がありました。
*****
これらが私が現時点で考える「会社員をやめるコスト」です。
会社員として勤め続けるか、辞めるか。
少しでも、道を選ぶ際のご参考になれば幸いです。
