篠田桃紅さんの「墨いろ」という本の中から、
贈り物の包装についての文章を見つけました。
「包み、こそ第一印象で、それがさりげなく小体に、
控え目であるということが、まず人への礼儀であり、
重々しくもったいぶった包み方は無礼ではないかと思う。
中身がどのように上等なものであっても、送り手はささやかなもの、
という気持ちを包むことに表現しなければならない」
ちょうど、友達の結婚祝いについて考えていたので、
思わずう~ん、とうなってしまいました。
確かに、百貨店などで何か買うと、外側から
①紙袋、②百貨店の包装紙、③品物の一番外側の箱、
④品物が動かないように隙間を埋めるための紙、
⑤品物そのものを包む紙、という5重の扉を一つずつこじ開け
やっと品物にたどり着くことが多いです。
場合によっては、6重、7重だったり・・・
包みを開くとき、最初の1、2枚はわくわくしていても
あまり沢山「壁」があると、間が悪くなったり、
大げさな包装のおかげで品物への印象がいまひとつになることも。
包むこと、そのものは大切だと思いますが、
何でもかんでも包めばいいのでは全くないことに気付かされました。
「まわりがうるさいものにホンモノはない」という言葉を胸に、
何より受け取った相手が受け取りやすいよう、
さりげなくきれいに包む、そんな風に贈りたいです。