剣竿一如 -8ページ目

激効

 今朝の採血結果が出た。腫瘍マーカーのβhcgの値が……、なんとたったの80にまで下がった! ピーク時は11,200、先月12月25日には536だった数値が10日間で80。それでも基準値の10倍以上もあるけど、抗ガン剤がどれだけ効いているかが明確にわかる。素直に嬉しいし、明日への希望、闘病への励みになるネ。

 が、喜んでばかりもいられない状況も当然ある。微熱や耳鳴りはずっと続いているし、昨日気付いたのだが、両手足の爪の半月部分の上が黒変し始め、足の爪は段が付いてガジガジ……。両肩には虎柄の色素沈着も出ている。虎柄色素は割とカッコイイけど(笑)。

 まぁね、ガン細胞という生きている細胞を攻撃する強烈なお薬を使っているのだから、当然ノーダメージってワケにはいかないよなァ。これだけの劇的効果を引き出しながら、この程度の副作用で済んでいるってのは、効果と副作用を微妙な天秤に掛けて、個人差の大きい複雑な差っ引き勘定で、抗ガン剤の制御をなすっているN尾先生の力量の凄まじさを感じます。

 本当に居眠釣四郎は医療に恵まれている、幸せなガン患者で御座候ってお話でした。マジ、多種複合併発、多臓器転移の末期ガンを克服して、必ず生還しちゃうかンね!

勧誘

 正月三ヶ日が明け、悪徳商法やインチキ商売も御用始めらしく、胡散臭い勧誘メールがゾ~ロゾロ届き始めた。何々? 遠隔方位除けにガン封じの占いとご祈祷だって? 遠隔ヒーリングによる万病治療? 自己免疫を高めガンに効くサプリ? 満願成就・運気隆盛のパワーストーンに御守り? 勧誘の裏側にド腐れた銭への欲が透けて見えてンだよ! マイミクのるっこさんのように、「善意のアドバイス」 として、お見立てを公表してくださっている占いとは大違いだわ。

 初回限定サービスだかなんだか知らんが、その後は毎回数千円から、事に寄ったら数十万円をボッタくる、所詮は人の弱みにつけ込んだ悪徳商法じゃねーか。こんなの信用するほど、眠釣様はヌルイ人間じゃねェ! そりゃね、人には運の善し悪しってモンもあるだろうが、それをどのように受け取るかは本人次第ってモンだ。自分なんかハッキリ言って、人生の末期の病床にあるかもしれんのだが、毎日心穏やかに、今生きてあるこの時の幸せを噛み締めて過ごしている。不安や死への恐れも含めて、それも生きている証だと思うようにしている。

 それにしても、松も明けぬ内から悪徳商法やインチキ商売の勧誘たぁ、「世に盗人(悪人)の種は尽きまじ」 だねェ。皆さんも新年早々、引っ掛からないようにご用心遊ばせ、ってお話でした。

 あ、そうそう。詐欺や悪徳商法やインチキ投資やカルト宗教に騙されるのは、「欲は深いが、考えが浅い」ってな方が多いと思いますよ。一番悪いのは騙すヤツだけど、詐欺の前科、悪徳商法の前科があるような人間のやってる事に乗っかっちゃう迂闊さは、ご自身の責任でもありますな。話題のGポンのお節料理トラブルなんか典型(笑)。

困惑

$剣竿一如-マッチョなガン患者 自分は正真正銘、多種併発で多臓器転移を引き起こしている、いわゆる末期ガン患者なんだが、血色、顔色、肌艶ともに、一般の健常者と変わらない……。てか、むしろ自分の方が健康そうに見える(笑)。体格も病み衰えることなく、入院前に作り上げておいた68kgの肉体を保っている。まぁ、抗ガン剤の5日間集中投与では4~5kgは痩せてしまうンだが、休薬期間中にしっかりと取り戻す事が出来ている。抗ガン剤治療を受けていると、副作用で10~20kgもやせ衰え、幽霊かミイラのような衰弱した容貌になってしまうのが普通なんだけどね。

 しかも、だ。抗ガン剤の集中投与は一般的には3日間らしいが、自分は頑健な肉体と生命力の持ち主なので約7割増しの5日間だし、一回の投与量も数倍と凄まじく多い(笑)。そんだけ悪性度の高いガンに冒されている証拠なんだが、第二クールまでは微熱や倦怠感、食欲不振、耳鳴り程度の副作用はあるが、元気一杯、スマイル満開で乗り越えてきている。

 年末に駆け付けてくださった伊藤久二康さんも、新年早々にお見舞いに来てくださったJOFI愛知のO田代表も、「実はね、眠釣は絶対に年を越せないと思っていた」 そうだ。まぁ、そらそうだわな。自分だって知人や友人が同じような病状にあったら、「苦しい虫の息の下で強がりを言ったり、書いたりしてるけど、本当はもう、病み衰えて気力だけで頑張ってるんだろう。$剣竿一如-久二康さん近日中にお別れだろうなァ。生きている内に会いに行っておくか……」 と思うモン。ところが、だね。実際に病室を見舞ってみると、そこには、

 「よ~こそ~。お忙しいところ、
  ありがとうございま~す♪」
   +(0゚・∀・) + ツヤテカ、ニコニコ +

 血色の良いスキンヘッドのオッサンが、ベッドの上で脳天気にニコニコと微笑んでいるワケですよ。想像していた眠釣の姿とのギャップに、まず間違いなく皆さん困惑の笑みを浮かべます(笑)。

 「あ、あぁ……、お元気そうですね」 (´^ω^;`)

 「はぃ~、明るく元気に朗らか笑顔の闘病生活を送ってます」 (^-^)

 「えっと、うん……。そ、それは何より……」

 病み衰えた眠釣を勇気付け、今生の別れの言葉でも交わし、帰宅後に 「眠釣のヤツ……、あんなになっちまいやがって……」 と、同情の涙の一つも流してやろう、ってつもりが見事に裏切られ、違う意味でガッカリしちゃったのを、眠釣に悟られまいと笑って誤魔化してンが見え見え(笑)。

 現代医学の凄まじい進歩、医療スタッフへの絶大な信頼、家族の献身的な力添え、声援を送ってくださる皆さんへの感謝が、眠釣の体力・気力・生命力の強さ、闘病生活を支えている事を伝えると、ようやくに納得して、「本当はもうダメだと思って、今生の別れのつもりでお見舞いに来た」 と、本音をブッチャケてくださる。 いやいや、これからも良い意味で期待を裏切り続けますから、お近くにおいでの際は、ぜひ病院にお立ち寄りくださいね、ってお話でした。

 あ、お見舞いの品などのお気遣いは無用です。特に抗ガン剤治療中は、お花はタブーとなりますので、固くご辞退申し上げます。ウメボシ、味付けノリ、佃煮、燻製などは歓迎いたします(笑)。

声援

 年が明けて2日目。今朝、メールを受信して驚いた。商売柄いくつかのメアドを使い分けているのだが、受信メール400件オーバー! そのすべてが闘病声援の年賀メールだった。知人・友人・釣友はもとより、クライアントの担当さんが ”個人的に” 声援を送ってくださったり、ブログをご覧になった方からの声援メッセージだったり……。

 ガンなどと言う大病を患ってしまったが、健康だった頃には気づけなかった、わからなかった幸せやら喜びやらが感じ取れるようになった気がする。そう考えると、大病も悪い事ばかりではない様な気がしてきましたよ、ってお話でした。

 声援年賀のメール、メッセージをお送りくださった皆様、本当にありがとう存じます。本年の抱負はガンの克服生還および社会復帰という、生命と生涯を懸けた壮大なモノですから、新年早々、気力横溢、心機尖鋭、スペースバトルシップ”ヤマト”ではありませんが、「必ず生きて還る!」であります。

賀状

$剣竿一如-2011年賀状 うっわ~、今年もさいとう・たかを先生から年賀状を頂戴してしまいましたよ。(≧∇≦)チョ~ウレシイッ!

 さいとう先生は、昨年2010年4月に旭日小綬章を叙勲なされている。2005年は紫綬褒章も叙勲されていらっしゃるんだよなぁ。そんな素晴らしい先生から年賀状を頂戴出来るって、自分はなんて幸せ者なんだろう。涙が出るほど嬉しい。闘病生活の励みになるよ。

荘厳

$剣竿一如-2011初日の出 末期ガンとの闘病生活の病床にありながらも、実に穏やかで心静かに新年を迎えられた事、誠にめでたく、神仏に感謝しつつ初日の出を拝んだ。病室は東向き地上七階。それはもう、荘厳で美しい初日の出だった。

 人間ってのは案外と単純に出来ていて、心持ち(=気分)次第で、同じ境遇にあっても幸福にも不幸にも感じられる。まぁ、そこに至るまでの経緯、ってのも大きく影響するんだが、とりあえず同じ末期ガンという病状で入院していても、自分のように医療スタッフへの絶大な信頼感、家内の献身的な力添え、恩師・先輩・知人・友人・釣友・ネット仲間のみなさんの声援への感謝など、「あぁ、俺は幸せだ」 と感じている人間は、多少の痛みや不快感があっても、ニコニコと笑っていられる。

 正直、穏やかで心静かに新年を迎えてはいるが、37度台の微熱による気怠さ、耳鳴りは相変わらず続いているし、手術の跡の引きつれや鈍痛も残っている。健康な頃のベストコンディションからは、はるかにかけ離れた体調なのだが、それでも激しい咳き込みや呼吸困難、凄まじいガン性の疼痛に苦しんでいる患者さんに比べれば、こんな不具合など屁でもない。

 荘厳な初日の出とそのすぐ脇に見える神社の森を拝みながら、平成二十三年は神仏お天道様に、「大病を患い、無事ではないけれども新年を迎えられた事に、深く感謝申し上げます」 と御礼申し上げ奉り候、ってお話でした。

 末期ガンなんつったって、現代医学の前じゃチョロイチョロイ。治療効果の出る確率側に乗っかれば、肺ガンだろうが、腺ガンだろうが、睾丸腫瘍だろうが、脳腫瘍だろうが、肉腫だろうが、外科手術・抗ガン剤・放射線治療でチョチョイのチョイだぜ(笑)。

順調

 脳腫瘍のガンマナイフ手術と、抗ガン剤治療の第二クールの経過観察CTを撮ってきた。右脳前頭葉に出来た出血性の脳腫瘍に、ガンマナイフ手術奏功アリ! 撮像の輪郭が滲み、中心部の核付近も崩れかけている様子が映し出されていた。これで数ヶ月後には縮小が始まり、6~8ヶ月後には消失する。

 肺の10カ所のガンも縮小傾向が顕著になってきていた。特に気になっていた心臓脇の5cmの腫瘍が、ようやく縮小傾向を見せ始めた。ようやくと言っても、まだ抗ガン剤治療第二クールなんだから、むしろ速効なんだけどさ。

 ともあれ、施す治療、施す治療、すべてが図に当たり、治療効果が次々と発現とくりゃ、嬉しいったらありゃしない。この報には、家内と両親、関西から姪っ子を連れて帰省中の弟夫婦も大喜び。最高の年越しニュースになった。

 悪性度では群を抜く絨毛ガンから、腺ガンやら、肉腫に冒されながら、こうして無事に年が越せそうな自分。重篤な病状に呻き苦しんでいる患者さん、不慮の事故や犯罪に巻き込まれて命を落としたり大ケガを負った方、悲しみに打ち拉がれている被害者家族の方々もいるワケで、こうしてさしたる苦しみも感じないでいられるのだから、ガンを患ってるくらい、どうって事ァない。我が身の幸せを噛みしめてますよ、ってお話でした。

 本当にありがたい事だよなぁ。明年は初詣にも行けないが、病室の窓から見える神社の森に向かって、合掌礼拝させていただこう。そして今年は世話になっただけではなく、ご心配までもお掛けしてしまった皆様に、深く御礼申し上げます。明年は年賀状という形の新年のご挨拶は欠礼させていただきますが、なにとぞご容赦ください。

 皆様、よいお年をお迎えください。

嬉泣

伊藤久二康さん01 年の瀬の忙しい中、東名高速の渋滞をかわして一般道経由でアクション俳優の伊藤久二康さんが、わざわざ名古屋までお見舞いに来てくださった。前日まで仮面ライダーの撮影、撮休入りと同時にお見舞いに駆けつけてくださったのだ。病室に入るなり、「やぁ、具合はどうだい? あ、アルコール消毒とマスク、どこ?」って……。なんでそんなに細やかな気遣いができちゃうんですかッ! もう、感謝感激どころか、笑顔すら出ないほどに嬉しかった。

 実は久二康さんとは十数年もお会いしていない。お付き合いがあった頃でも、平成に入ってからは年に数回練習会や現場でお会いするか、数年に一度、一緒に釣りに出かける程度のお付き合いだった。それでも久二康さんは自分を後輩であり、弟子として認めくださっていた。

 「あのさ、オマエって俺らと同じニオイがするンだよ(笑)」

 「はぁ……、でも、自分にはアクションやスタントの素養はなかったですよ」

 「違うよ。アクションだけじゃなくて、自分の得意分野に熱中してだな、
  一生を懸けてでも勝負する気合いや根性があるって事だよ」

 「いやいや、そんな大それた気合いも根性も無いですって」

 「ふ~ん、じゃぁ、オマエの言う 『プロの売文屋』って何だよ?」

 「あ……、それは確かに勝負の気合い入ってるし、自信もあります」

 「だろ? 俺はアクション、眠釣は文章。道は違うがニオイは一緒だ。
  で、見舞いにコレ、持ってきた」

 「ACE PROJECTのユニフォーム……」

 「うん、オマエもウチのメンバー、広報担当だから。いいな?」

 「本当に?」

 「だから、WEBサイトにおまえの名前入れてるだろ? http://www.aceproject.net/
  ただし、引き受けたからには、しっかりガンと闘って、叩き伏せて戻ってこい」

 「はひ……」(涙と鼻水)

そんな話をしていると、主治医のN尾先生が回診に来られ、久二康さんが病状を質問。

 「先生、眠釣の具合は医学的に見ていかがでしょうか?」

 「はい、非常に良い効果と結果が出ていますよ」

 「あぁ、よかった。おい、本当に良くなってるンだな。よかったな~」(弾ける笑顔)

このタイミングでこの笑顔は、本当に心配し、本当に安心してくださったのでなければ出ない。あぁ、久二康さんは自分の如き不肖の後輩を本気で案じていてくださった……。もう、胸がいっぱいになってしまい、声が震えそうになるのを必死に押さえ込む。

 今までの病気の経過などを医療写真ともに説明していると、外科のM山先生が陣中見舞いに来てくださった。

 「病院食がヒドイって意見書出したンだって?」

 「はい。だってこのところ、あまりにヒドすぎます」

 「ふむ、ブログで内容は読んだからわかってるけど、そんなにヒドイ?」

 「はい、かくかくしかじかで、特に自分のような売文屋稼業の人間はですね、
  その背景に不正とか、悪意とかが潜んでいると敏感に嗅ぎ分けます」

 「なるほどね。次回の検討会での議題に必ず出るから、ちゃんと話しますね」

 「お願いします」

 「で、コチラは?」

 「ブログによく登場する、リアルラオウ伊藤久二康さんです」

 「あぁ~(笑)」

 「あ、眠釣がお世話になりまして……」(『立ち上がってM山先生に最敬礼)

 「いえいえ、お掛けになってください。あはは、そうですか。じゃぁ、ごゆっくり」

 M山先生が戻って行かれて、久二康さんの第一声。

 「うわ~、M山先生もN尾先生もすっごいオーラだな。
  M山先生と言い、N尾先生と言い、眠釣はすごい先生に診ていただいてるな」

 「わかりますか」

 「わかる。経験と知識に裏付けられた医療技術への絶対の自信。
  それがお二人からはビンビン伝わってくるからな」

 「そうなんですよ、自分、ものすごくラッキーだと思ってます」

 「こりゃ眠釣は大丈夫だな。医療技術の進歩+スーパードクターだもんな」

$剣竿一如-マッチョなガン患者 かくして、久二康さんは面会時間の延長許可を取って、5時間近くも一緒にいてくださった。この間にバイタルと取りに来てくれたKさんも、脳の腫れを抑制する点滴を打ちに来てくれたTさんも、自分の父親以上の年齢の久二康さんを見て、

 「え~っ、53歳?! どう見ても40代前半……、いや30代なんだけど!
  眠釣さんが49歳でスゴイ身体だと思ってたけど、53歳ってあり得ないし」

伊藤久二康さん2 看護師さんを仰天させる、人類リミッターのはずれた久二康さん(笑)。昭和のアクション界には、久二康さんをはじめ、前田浩さん、新堀さんなど、常識の範囲から逸脱したアクション俳優が、腕と技を競い合っていたンですよ、ってお話……じゃないけど、すごく嬉しいお見舞いでした。

 久二康さん、今日は本当にありがとう存じました。感激で眠れそうにありません。ガンを克服して、再びロンダーバック転ができるくらい復活してみせます。必ずリアル魚紳さんとして須賀健太君にも、ACEのみんなにも、釣りを教えに行きますから!

抑制

 抗ガン剤治療の効果が顕著で、劇的とも言えるほど効いている。24日にブレオマイシンの追加投与を行い、31日にもブレオマイシンを再追加投与の予定だったのだが、ブレオマイシンの副作用と治療効果を比較してみて、今回は一度休薬して経過観察してみる事に決定した。いや~、ブレオマイシンは自分にとって微熱や不快感を伴った副作用が出るので、ツライお薬だったからお休みは素直に嬉しい。今回の休薬、経過観察決定の決め手は、強烈な副作用(白血球や血小板減少・腎臓負担・めまいや吐き気)を伴う、シスプラチンによる治療効果が大きかった事。キッツイお薬だけに、効果も絶大なんだなァ。

 「で、抗ガン剤休薬中に、放射線治療による脳の腫れの抑制治療を行いましょう。
  お薬はグリセオール、毎日朝晩2回、点滴で投与しますね」

 「K病院で投与されていた、グリポーゼと同じ成分のお薬ですね」

 「そうです、耳鳴りや難聴などの不快症状が軽減するはずですよ」

 「それはありがたいです。お願いします」

 放射線治療のガンマナイフ手術による、右脳前頭葉の脳腫瘍治療は受けたものの、まだ結果が出ているワケじゃない。開頭摘出手術とは違い、手術即結果とはいかないのが放射線治療。脳内には依然として腫瘍が存在している。ガンマナイフ手術の成否(成功率90%)がわかるは1月5日以降。そして脳腫瘍の縮小といった、治療効果が出てくるのは3月15日頃なのだ。つまり……、キンキンキュンキュンと鬱陶しい耳鳴りは、最低でも3月まで、長ければ7月頃まで続くって事。まぁ、吐き気や頭痛と言った副作用に比べれば、耳鳴りなんぞは屁でもないンだが、実質的に難聴になっているのと同じなので、症状が軽快するならありがたい事この上ないですよ、てお話でした。

 治療方針の説明を受け、こうして冷静に病状を受け入れられる自分。そこには主治医の先生や看護師さん、薬剤師の先生方への絶対の信頼がある。「明るく元気に笑顔の闘病生活」 を支えているのは、自分の強さなんかじゃない。医療スタッフの皆さんと家内の献身的な支え、声援を送ってくださる恩師・先輩・知人・友人・釣友・ネット仲間のみなさんへの感謝。それがなかったら、とっくに自暴自棄になって、自分を抑制できなくなっていたであろうと思う。

 やはり居眠釣四郎、実に運の強い男にて御座候。

狼藉

 病院食の味付けがヒドイってェのは、昨日も書いた通りなんだが、今日の昼食もヒデェ代物だった。献立の名称は「蒸し鶏の中華あん」なんだが、中華あんが……、とろみだけで醤油とか塩の味付けがしてねェ(笑)。代わりに紅ショウガが8片ほど付いてた。

 もうね、「如何なる意趣、遺恨あっての乱暴狼藉かッ!」ってな勢いで問い糾しちゃいましたよ。ご意見箱にちゃんと署名した上で、院長宛に回答を求める意見書を提出した。

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  食事について

  11月13日を境に、食事の味付けがヒドイものになりました。
 入院患者としては、薄味であれ、軟食であれ、食事は治療の一環という
 義務感を持って受忍しますが、このところの不味は 受忍限度を超えて、
 食事がストレスになってしまい、食事を止めて外部からの差入食で食事
 管理を行っております。

 栄養科においていかなる職場トラブルが発生しているのかわかりませんが、
 職場環境、人間関係、待遇などの不平不満を、病気療養中の患者が口に
 する食事への手抜きで晴らすような事はなさらないでください。

 上記のような悪意が存在せず、単に味付けが下手なのだとすれば、それは
 それで「食に携わる者」としての資質に問題があります。
 D病院WEBサイトの部門紹介に記されている、高邁な志とはかけ離れた現実に
 ついて、いかにお考えなのか、ご回答をお願いいたします。

 D病院 院長殿

                                       平成22年12月29日

                            A7病棟 7××号室  居眠釣四郎

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 マイミクのスーパー爺じさんからは 「贅沢を言うな」 とのお叱りを受けたが、作り手側に明らかな手抜きの意図や悪意がある場合、これは黙っていてはいけない。特に療養中の患者が口にする食事なのだから、糾すべきは糾さねば生命に関わる。

 で、病院食を止めては差入食にして、食事管理や栄養管理は家内と自分で行うようになって一週間。体重は64.7kg→67.7kgと元に戻った。これで抗ガン剤治療に安心して臨めるってモンだ。抗ガン剤治療を受けている自分は、一切の運動を禁止されている。運動しないで安静を保たねばならないンだが、普通はそんな事をすれば太ってしまう。ところが、抗ガン剤の投与を受けていると体重が減っていく。それだけ強烈なお薬を身体に打ち込んでいるワケだ。だから休薬期間中にはしっかりと栄養を摂って、体力を取り戻しておかないとやつれてしまう。

 食事と体調管理の重要性は、生死に関わる病気と闘っている自分には切実な問題だ。妥協したら生命に関わるンだからね、ってお話でした。

 さぁて、どんな回答が返ってくるかなァ? あ、栄養科がこの告発の意趣返しに、自分の食事にだけ一服盛ったりしたら怖いな(笑)。