夏の大敵『犬のアトピー性皮膚炎慢性期の治療』 | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

 

昨日は急性増悪期のお話でした。

 

今日は慢性期の治療をガイドラインに沿って書いてきます。

 

  1. 悪化要因の同定と回避
  2. 皮膚および被毛の衛生状態改善と治療
  3. 薬剤療法による痒みと皮疹の軽減
という大枠がありまして
 
例えば1ならその中に
 
  • 非季節性のアトピーに対する除去食・負荷試験
  • ノミ予防
  • 皮内反応や血清IgEによる抗原の特定
  • ハウスダストマイト
  • 抗菌薬治療
  • 他の悪化因子
みたいな細かい分類があり、具体的な治療とその推奨度が書かれている感じです。
 
今回も推奨度がAのものだけ書いてきます。
 
経口グルココルチコイド。
 
つまりはステロイドです。
 
 
即効性あり、長期使用では尿検査と細菌培養検査を実施すべき。
 
シクロスポリン、オクラシチニブとの併用は推奨できない。
 
 
と一緒には長くは使わない方がいいよと書かれているんですね。
 
ちなみに上記のアトピカ(シクロスポリン)も推奨度がAです。
 
効果発現まで4〜6週間必要(効果発現まで開始3週間はプレドニゾロンと併用可能)
 
長期使用のモニタリングについて一致した見解はなく
 
全身状態に異常がある時点ですぐに実施すべき。
 
とされています。
 
今は一番一般的であろう上記のアポキル(オクラシチニブ)も推奨度Aです。
 
 
インターフェロンも推奨度がAです。
 
実は僕はこれは使用したことがありません。
 
皮膚系のセミナー聞いててもあまり名前が出てこないので。
 
あくまでもこの記述はガイドラインについて書いてます。
 
教科書が100%正しいとは限らないのは皆さんご承知だと思います。
 
でも推奨度がAなのはエビデンスが取れているだろうからなので
 
使用すること自体は問題ないんだと思います。
 
実は推奨度がAなのはあと一つだけです。
 
1の悪化要因の同定と回避に含まれる
 
8週間の除去食試験。
 
これだけなんです。
 
何度もいうようにガイドラインなので
 
この限りではないんですが
 
セカンドオピニオンで見ている子たちについては
 
基本に忠実にシンプルにするだけで良くなる子が多すぎます。
 
手数かけまくってダメにするパターンが多いと思います。
 
正直ここ数年でマラセチアについて僕が言及したことは一度もありません。
 
 
ではまた明日。
 

 

 

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